赤い生徒手帳【コラボ】 (ページ13)

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「坂田くん、誰からもプレゼント貰ってないの？」

「まあね、やってAちゃんから一番に貰いたかったんやもん！」

そう言ってどこか期待してるような表情をする坂田くんになんか泣きそうになる。

渡すのを躊躇っていたけど、坂田くんにお誕生日おめでとうの言葉と一緒にプレゼントを渡せばすぐに目をきらきらとさせて「あけていい！？」なんて聞いてくるから頷けば早速開けていて。

箱を開けてネックレスだ、と喜んでいる坂田くんを見たら渡してよかったなあなんて、今までの色々な不安が引っ込んでしまった。

「あんましネックレスとかアクセサリー持ってないから嬉しい！明日からつけてくる！」

「え、私と学校以外で会う時に付けてきてよ。学校はだめ」

「みんなに見せびらかしたい！」

「恥ずかしいからやめて！」

お願いだからやめてくれと頼めば坂田くんは渋々頷いて一度だけ付けてみたいとお願いしてくるから坂田くんにネックレスを付けてあげる。

胸元に見える私があげたネックレスが嬉しくてつい微笑んでしまった。

「ほんまに嬉しい、ありがとうね。Aちゃん大好き」

「えっ…… 」

いつもはかわいいとか好きとかそんな言葉が多いのに＂大好き＂なんて言われるとは思ってなくて思わず言葉に出してしまった。

そのまま私との距離をもっと詰めてきて、ぎゅうっと抱きしめてくるから初めてのことに追いつけない。手しか繋いだことないのにこんなことされたら顔があつくなって仕方ない。

「卒業するまで絶対手出さんとこって思ってたんやけど……キスくらい、したらあかん、かな」

私の耳元でぼそぼそと少し不安そうに話しかける坂田くんに嫌だなんて言えないし、なんというか、嫌だなんて思ってもいないし……

そんな言葉に私は一度だけ頷いたら、坂田くんのあったかい手が私の頬に添えられて反対の手で私の下ろしたままの髪を耳にかけられる。そのまま、ゆっくりと近づいてきて一度だけ、触れるだけのキスをした。

「 ……さかたくん、わたしもだいすき」

「うん、おれもだいすき」

不良だし、鈍感だし、不安になることもあるけどやっぱり坂田くんのことが好きなんだと思うような、そんな坂田くんの誕生日。