【ドラクエ8】旧き世界の星雲7

冒険の書253 ページ9

「………受け入れられるまで待つよ」




『いや、待たんでいいよ。正直、目が見えなくなっていたなんて思っていなかったけど、自分で無理矢理突っ込んだんだ。

まあでも、皆に支障なくてよかったでしょ？そう思えば目がなくなったくらい……』




「どうってことないって？嘘つけ、絶対そう思ってない！！

僕は何かを犠牲にして守られたって嬉しくない。
それも仲間が犠牲になるなんて、僕は絶対に嫌だ！
だから……そんな軽々しく、もう自分を犠牲にしないで！！」




エイトに珍しく強めに言われたAは驚きながらも、エイトの反対方向を見た。
(見えない為、エイトがどこにいるのか分かってない)


冗談とかではなくかなり本気…いや、本気。

いつもはどんな話も軽く流していたが、こればかりは流せないと思ったのか、Aは困った顔をしながらも話した。





『ごっごめんってば。そ、そんなに強く言われるとは思ってなかったよ』



「僕だって強く言う時はあるよ。もう流されるのは我慢できないからね」



『ほ…本当に…ごめんて…。(私、そんなに話流しまくったっけ？)』



「…………………。(適当に言っちゃったけど話流してたっけ？)」





互いに沈黙へと落ちる。

エイトが地面に刺していた剣を抜くと同時に、Aは立った。


急に立ち上がったAを見る。





『エイト……マジでどうでもいい事聞くね』



「何？」



『話を流したような気が全くしなんだわ。私、話流したことあるっけ？』



「やっぱり？」





Aはエイトの方を見、エイトはAを見上げる。

質問が馬鹿らしく思えてきて、段々と笑いが込み上げてきた。


そして…ついには二人とも笑ってしまった。





『おい、やっぱりって何だよ！』



「て…適当に言っちゃったからマズイなと思ってさ…！！

やっぱり、流したことなかったかな！！」





今まで笑えなかった分、思う存分笑った。

お互いが変に思えてきて、でもそれが面白くて…。

この旅は苦しい道筋しかないと思っていたが、それは嘘…いや、まやかしだ。


苦しいもあれば楽もあると言うように、悲しいもあれば楽しいも、またあるもの。


クソほど笑ったAは笑い治ると、改めたように言った。





『ふっ…。“この道、我が旅”ってか…。楽しく思え、旅は苦しいものだけでないってことか。


もう吹っ切れたよ。目が見えなくても、私はこの道を歩み続けてみせる。皆の助けを得て、終わらせる。

それだけだ！』

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