【ドラクエ8】旧き世界の星雲7

冒険の書262 ページ18

彼の笑いは決して楽しいものではなく、冷たいものだった。

俗に言う、冷たい笑み。





「…はっはっは！ニノ大司教殿。そういう訳でしたか」



「貴様、何のつもりだ！何が可笑しいというんだ！？」



「観念なさい。野犬と誰とも知れぬごろつき共を雇い…。

騒ぎを起こして、それに乗じ、法皇様の暗殺を謀るとは。恐れ入りましたよ。

貴方が次期法皇の座を狙っていた事は知っているが、ここまでやるとはな」





マルチェロが言うことに呆れて物も言えないエイト達。

ただただ睨みつけるくらいしか出来なかった。


それよりも仲間を貶されたAは、信じられないということを物語っている顔をしていた。


確かにこいつは最初に会った時は……あんま覚えてない。

だが、今よりもまだ昔の嫌味の方がマシだと思えてきた。





『ついに壊れたか、この人』




「いくら何でもそれは許せません！！Aの旅仲間達を貶すとは…無礼千万！

焼き殺す準備しなくては…」




『ええ……』





さすがにここで炎を吐いてもらうと姿がバレてしまうので、やめさせた。


すると、マルチェロが部下に命令した。





「捕まえろ！このごろつき共を、まとめて煉獄島へ流刑にするのだ！」




「「はっ！」」





聖堂騎士団員達がエイト達とニノ大司教を囲み、押さえつけられた。





『エイトっ！皆！

…う〜！ならば……かくなる上は高速リア充追尾式撲殺釘バッ…』




「(A、逃げて！)」




『で、でもさぁ！！』




「(僕達にしか見えない君が見つかっちゃったら、捕まっちゃう。

早く逃げて…！僕達のことは放っていいから！！)」




『放れって言われたってさぁ！この状況で言えることかな！？』




「(私達なら平気よ！目も見えてない状態であいつに見つかったら大変よ！)」




「(早く逃げるでげす！)」




「(マルチェロに気づかれないうちに…！逃げろ！)」




『…ッ』






聖堂騎士団員達にお縄を頂戴させられたエイト達は連れて行かれ、倒れた法皇も残りの部下達に運ばれていった。


エイトが最後に見たのは、Aの心配そうな顔とマルチェロの嘲笑う顔だった。


心の底からムカついた。これはハメられたな。


エイト達はとりあえず見つからないことを願うばかりだった……。

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