冒険の書123 ページ9
この深い霧は全て、Aが発生させたものだった。
だが、霧はかなり特殊であり、動揺していたアルゴングレートの突進で降ってきた岩は一瞬にして崩れ去った。
『この霧はあらゆる危険、例えば、呪文などの身の危険から守ってくれる霧なんだ』
「そいつぁいいや!!兄貴、このままやっちまうでげすよ!」
「あ。ヤンガス待っ」
ヤンガスは突進したアルゴングレートにオノを振りかざした瞬間、霧が晴れた。
霧が晴れて視界が良くなったアルゴングレートは、自身に振りかざされたオノに噛みつき、ヤンガスを振り払った。
『最後まで聴いてね、ヤンガス君?
但し、この霧の効果は一回きり。一度攻撃から守った後は、数秒して消えてしまう』
「えぇ?そうだったんでがすか!?痛い目に遭わないためにも、今度からは突撃しないようにするでげすよ…」
『まぁ、という訳で。攻撃開始だ!目眩しかもしれないけど、私は守りの霧を発生させる。その間、見計らって攻撃さ』
「なら、早速!!メラミ!」
多少は目眩しになってしまうかもしれないが、守りの霧に守られながらも、攻撃した。
勢い任せに突進してきたら躱し、噛み付いてきたらメラミやベギラマなどの呪文…
それぞれ、工夫しながらも、順々に体力を削っていった。
「ほらよ、エイト。ここまで削ればいけるさ。バイキルト!」
「ありがとう、ククール!」
エイトは息をすぅっと吸うと、目を見開き、放った。
「………はあぁぁぁぁっ!!!」
バイキルトで威力が倍増したドラゴン斬りは刹那的に体に傷をつけた。
アルゴングレートは傷に悶え、地響きを起こしながら逃げていった。
それと同時に、奴の体から紅い物体が転げ落ちた。
その紅い物体は勿論……
「これだ!僕の求めていたものはまさにこれだ!この大きさならきっと、父上も家臣も僕を見直す筈だ」
大きいアルゴンハート。ようやくチャゴス王子が満足する大きさだった。
「皆の驚く顔が目に浮かぶ。きっと僕を褒めちぎるだろうな。まあ、苦労したんだから当然だな。うん。
さあ、お前たち。城に帰るぞ」
「何を苦労したのか分からないわ」
「さーて、サザンビークへ帰るか。王子様ともお別れできるしな」
1日と1日半の儀式がようやく終止符を打った。
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水竜ルカ(プロフ) - リスタさん» 返信遅れました。ありがとうございます!ホメロスはピカチュウを利用して勇者達を襲っています←ちゃんと言ってます!笑 更新頑張りたいです!! (2021年10月7日 16時) (レス) id: 3141647bc0 (このIDを非表示/違反報告)
リスタ - 以前、リクエストした絵を見ました!ホメロスはピカチュウって言ってくれましたか?こんな二人は可愛かったです♪更新も頑張って下さい!グレイグ「可愛いな〜♪」ピカチュウ「ピカ♪(グレイグ♪)」 (2021年10月2日 0時) (レス) id: 85e8ed9632 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:竜灸 | 作成日時:2021年8月13日 14時