冒険の書163 ページ49
「うふふ。今日は諦めるとするわ。魔力が戻ってしまったこの人相手じゃ、面倒だしね。それじゃあね」
ゼシカはくすくす笑いながら消えていった。
『っ…!今日はということはまた来るということか…』
ゼシカが消えた後、青年が男に近寄る。
「ハワード様!お怪我はありませんでしたかっ!?」
「ええい、触るな!どこにも怪我なぞ無いわいっ!」
「しかしハワード様!指に切り傷が…」
「こんなもん怪我の内に入るかっ!!お前はレオパルドちゃんにご飯をやってこい!そこの御仁に話があるんじゃ!」
目の前で怒鳴り散らかされるのは嫌だなとAは思った。
青年はトボトボと外へ出ていった。
「そこの御仁。どうやらわしはお前さんに助けられたようじゃな。さあ、こちらに来なされ」
『は…はぁ…』
ちょっと上から目線の発言に苦笑いするしかない。
Aは男の元へと歩き出す。
男は多彩な数珠をつけて、いかにも魔術師と思わせるような服を着ていた。
「どこの誰か知らんが、勿論、わしが誰かは知っておるじゃろう。わしが偉大なる大呪術師ハワードじゃ」
『(いやすまん、誰やん?)あー…そうなんですか…(小声)』
「わしの命を助けたとあらば、お前さん、これは名誉なことじゃぞ。よかったな。
まあ、わしの事は気軽にハワード様とでも呼ぶと良いじゃろう」
『(断る)は…はい…(苦笑)』
「やだ(小声)」
ただ苦笑いするだけだが、地味に嫌悪感を抱いていた。
ジェスは容赦なく小声で拒否。
ジュインは全く聞いていない。
一刻も早く、エイト達と合流したいなとAは思った。
「それにしてもあの杖使い女め…今日は諦めるってことはまた来るようじゃな。
結界があれば何とかなるものの、さすがのわしでもそれは難しい。
そこでじゃ。助けてもらった礼も兼ねてお前さんに仕事をやろう。引き受けてくれるな?」
『(マジでいらんプレゼント)』
だが、ゼシカがドルマゲスと同様に殺害を起こすと、止める機会がなくなるかもしれない。
渋々Aは引き受けた。
「実はこの町にクランバートル家という古くからの彫刻家の家系があって、その家代々に伝わるクラン・スピネルという二つの宝石は強大な魔の力が宿っているのじゃ」
『つまり…取ってくるということですね?』
「話が早くて助かる。クランバートル家に頼んできて欲しいんじゃ」
最後にAは家は酒場の隣にある事を教えてもらった。
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水竜ルカ(プロフ) - リスタさん» 返信遅れました。ありがとうございます!ホメロスはピカチュウを利用して勇者達を襲っています←ちゃんと言ってます!笑 更新頑張りたいです!! (2021年10月7日 16時) (レス) id: 3141647bc0 (このIDを非表示/違反報告)
リスタ - 以前、リクエストした絵を見ました!ホメロスはピカチュウって言ってくれましたか?こんな二人は可愛かったです♪更新も頑張って下さい!グレイグ「可愛いな〜♪」ピカチュウ「ピカ♪(グレイグ♪)」 (2021年10月2日 0時) (レス) id: 85e8ed9632 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:竜灸 | 作成日時:2021年8月13日 14時