冒険の書140 ページ26
あの鏡を取り出す。
傷一つもない、見ている老人をも綺麗に反射させる鏡だ。
「おお、これは!まさに太陽の鏡。わしがサザンビークで触れた物と、同じ物ではないか。
しかしどうしたことだ…。すっかり、魔力を失っているようだな」
「太陽の鏡ぃ?それが本来の名前でげすか?」
ふと疑問に思ったヤンガスが聞いた。
クラビウス王も“魔法の鏡”と言っていた故、その後名前でずっと呼んでいた。
だから、“太陽の鏡”と聞いたときに疑問に思ったのだろう。
「おっと。説明がまだだったな。そなたが魔法の鏡と呼ぶ、この鏡の真の名は太陽の鏡と言うのだよ。
だが、魔力を失っている今の状態では、魔法の鏡とさえ呼ばないがな…」
「城にいる魔術師も鏡の魔力が失われたって言ってたでがすよ。それで爺さんに聞きに来たんでがす」
「うーむ。鏡に魔力を宿す方法か……。
確か、太陽の鏡は強い光を放つ呪文を受けて、その輝きを増したと、かつて、聞いたことがある。
どういう理由かは知らぬが、鏡から魔力が失われたのであれば…。
もう一度、太陽の鏡である呪文を受けさえすれば、鏡は再び魔力を宿し、その輝きを取り戻すかもしれん。
問題なのは、鏡を復活させる呪文がどんな呪文であったのかだな。輝きを増す呪文、うーむ…輝きか…」
光、光、光…
頭の中で光を張り巡らせて、探す。
受けた事のある呪文。あまりの眩しさに目が見えず、何とか呪文で倒しながら潜り抜けた、あいつの呪文。
光…光…フラッシュ…
そして、ついに誰かが思い出し、「あ」と声を上げた。
「どうした、ククール?」
「思い出したぜ、その呪文。
爺さん。その呪文、海竜が使う地獄だと思うほどの眩しい光を放つ呪文と言われているジゴフラッシュじゃないか?
なぁ、エイト。俺たちも受けた事あるだろ?船で海竜のジゴフラッシュを受けて、Aとゼシカがマヒャドやらメラミやら連射していたの。
あいつならいけるんじゃないか?」
「そうか、ジゴフラッシュがあったな。
それほど強力な輝きを放つ呪文なら、鏡に再び、魔力を宿せるかもしれんぞ。
しかし、成功するか失敗するかは鏡を使って実際に海竜の呪文を受け止めてみないとわからんがな」
海竜の放つジゴフラッシュという呪文は、その眩しい光を目で見た瞬間に数日ぐらい目が見えなくなってしまう呪文だ。
幸い、エイト達もその光を見はしたが酷くなることはなかった。
エイトは老人に礼を述べ、外に出た。
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水竜ルカ(プロフ) - リスタさん» 返信遅れました。ありがとうございます!ホメロスはピカチュウを利用して勇者達を襲っています←ちゃんと言ってます!笑 更新頑張りたいです!! (2021年10月7日 16時) (レス) id: 3141647bc0 (このIDを非表示/違反報告)
リスタ - 以前、リクエストした絵を見ました!ホメロスはピカチュウって言ってくれましたか?こんな二人は可愛かったです♪更新も頑張って下さい!グレイグ「可愛いな〜♪」ピカチュウ「ピカ♪(グレイグ♪)」 (2021年10月2日 0時) (レス) id: 85e8ed9632 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:竜灸 | 作成日時:2021年8月13日 14時