冒険の書137 ページ23
そして…眩しい光が収まり、目を開ける。
そこにいたのは…
「…お、お父様!?」
「……ミ、ミーティア姫…なの?」
風になびく黒髪の少女…丁度、幼さがまだ残る、ミーティア姫がいた。
初めて姿を見る4人と1匹は、その美しさに見惚れていた。
改めて全身を確認し、人間に戻った事に嬉しく思ったミーティアはトロデ王に、
「お父様、見てください!ミーティアは…ミーティアは人間の姿に戻りましたのよ」
と言う。
だが、トロデ王は反応しない。
というより、驚きのあまり、頭が処理できていない状態なのだろう。
「どうしたの?お父様?ま、まさか、ミーティアは人間の姿に戻った夢でも見てるというの!?
…これは、幻なの?」
『いや、そんなことないよ。ちゃんと人間の姿をしているし、トロデ王は固まっているんだよ、多分』
ようやく頭の整理ができたトロデ王は思わず涙目になった。
やっと…やっと、人間の姿に戻ることができたのだ。固まって動かなくなるのも無理はない。
「おお、あまりに突然の事で思わず言葉を失ってしまったわい。ちゃんと見えているぞ、姫よ。
さぁ、もっと近くに来て、その愛しい姿を見せておくれ」
トロデ王はかなりの背丈の差があるミーティアに近づき、2人はギュッと抱き合った。
「お父様っ!」
「おお!わしの可愛い姫よ!
今まで馬車なんか轢かせてすまなかった…辛かったろう?これからは楽にさせてやるからのう」
「いいえ…いいえ、お父様、辛いのはミーティア1人だけじゃありませんもの…。
ジェスさんがいつも、喋れなかった私に話しかけてくれたり…それに、ミーティアはエイト達のお役に立てて、嬉しゅうございましたのよ」
2人が抱き合うその姿には親子愛が満ち溢れている。
見ていて微笑ましいものだった。
トロデ王は涙を拭き、自身も戻ろうと泉へと近づいた、その時…!
「お、お父様…きゃっ!」
人間に戻ったミーティアの身体から、またもや光が溢れ出す。
その2人を見ていた一行は勿論、ミーティア自身も何が起ころうとしているのか分からなかった。
トロデ王も後ろを向いた。
「ん!?どうした、姫よ。
ひ、姫ー!」
眩しい光に目を閉じる一行。
変身した時の光よりも、眩しさが増した。
今、目を開けたら失明してしまうぐらいに。
光が収まると、そこには…
「…ああ、姫よ」
馬へと戻ってしまったミーティアとそれに肩をおとすトロデ王がいた。
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水竜ルカ(プロフ) - リスタさん» 返信遅れました。ありがとうございます!ホメロスはピカチュウを利用して勇者達を襲っています←ちゃんと言ってます!笑 更新頑張りたいです!! (2021年10月7日 16時) (レス) id: 3141647bc0 (このIDを非表示/違反報告)
リスタ - 以前、リクエストした絵を見ました!ホメロスはピカチュウって言ってくれましたか?こんな二人は可愛かったです♪更新も頑張って下さい!グレイグ「可愛いな〜♪」ピカチュウ「ピカ♪(グレイグ♪)」 (2021年10月2日 0時) (レス) id: 85e8ed9632 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:竜灸 | 作成日時:2021年8月13日 14時