冒険の書134 ページ20
歩いてかなりの時間が経った頃、ようやく家と思われる建物が見えた。
ここに来るまでの間、ランドゲーロの大軍に遭遇して地獄のような辛さを味わった。
全体に攻撃すれば裏の顔を剥き出しにして冷たい息を吐くなど、逆襲を仕掛けてきた。
それは結構の前の話で、数分前の話ではなかった。
「西の森にある家。ここが例の人がいらっしゃる家なのか?」
事情を聞いているトロデ王が言ったその時だった。
青いプルプルとした体でこっちに近づいてきたのは。
「うわ。お前誰だっち?緑色の奴なんて魔物みたいだっちゃね」
「誰が魔物じゃ…って!お前こそ誰じゃ!何故スライムが喋っとる!!」
「魔物が喋っちゃいけないって決まりは無いっち!!この緑お化け。魔物は貶していい奴と駄目な奴があるっちょ!」
「だ…だーれが緑お化けじゃ!!こいつめ!死刑に値するぞ!」
突如現れたスライムがなんと、話したのである。
が、話すというより警戒心を持って馬鹿にしてきたような感じである。多分。
『ちょっと待って。ちょうどいいや。聞きたいことがあるんだけど』
「むん!なら、自分の名前を名乗りやがれっちゃ」
『そうだったね。
スライム君、私はA。この家に住んでいる人に用事があってここへ来たの』
「後ろの奴らもちゃ?」
Aは頷いて返した。そして、スライムは飛び跳ねると体をプルプルさせた。
「うっしっし。僕はこの辺じゃ一番あまのじゃくで通っているスライムだっちよ」
「自称あまのじゃく…か。聞いたことねぇけどな」
「黙っとくっち。爺さんに会いに来たっちか。生憎爺さんはここにいないっち。どっか行っちまった」
「どっかって何処かな?」
「爺さんの場所を知りたくてウズウズしてるっちね。知りたいっちね?そうだっちね?」
スライムのあまのじゃくが発動した。
素直に答えてしまうエイトには少々混乱するだろう。
Aはこいつの扱い方が分かったのか、エイトに小さい声で任せてと言った。
『いや、大丈夫。分かっているから』
「え。ちょちょちょ嘘っちょ!?ホントは知りたくてそんなこと言ってるんだっち!そうだっち」
『ううん、本当に大丈夫だって』
「うっ…ふん!知りたくないなら嫌でも教えてやるっち!僕はあまのじゃくだっちだからね!
爺さんならここからさらに西へ進んだところにあるふしぎな泉のそばにいるっちよ」
『あら、そう。ありがとうね』
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水竜ルカ(プロフ) - リスタさん» 返信遅れました。ありがとうございます!ホメロスはピカチュウを利用して勇者達を襲っています←ちゃんと言ってます!笑 更新頑張りたいです!! (2021年10月7日 16時) (レス) id: 3141647bc0 (このIDを非表示/違反報告)
リスタ - 以前、リクエストした絵を見ました!ホメロスはピカチュウって言ってくれましたか?こんな二人は可愛かったです♪更新も頑張って下さい!グレイグ「可愛いな〜♪」ピカチュウ「ピカ♪(グレイグ♪)」 (2021年10月2日 0時) (レス) id: 85e8ed9632 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:竜灸 | 作成日時:2021年8月13日 14時