冒険の書111 ページ35
トーポとジュインはやる事を理解したのか、穴の中へすんなりと入っていった。
『さーて、後はどうしてくれるかな？』
Aは意地悪そうに微笑んで、腕を組む。
ゼシカはAに、“何か知ってるの？”と聞いてみると、訳知り顔で答えた。
『実はね、この穴の奥にトカゲが居るらしいんだよ。ねぇ？ジェス』
(その通りです。私が察知した気配は人間、鳥、ネズミ、トカゲですからね)
ゼシカはなるほどと納得した。
その時、耳をつん裂くような、悲痛な叫びが聴こえた。
高い声からにして、チャゴス王子だろう。
「今の…絶対王子の悲鳴よね…ふふっ…」
ゼシカは笑いそうになるのを堪える。
ゼシカ以外だけではなく、他も堪えている。
ここで大声で笑い出したら、それこそ意地悪な一行である。(今やってることも普通に意地悪)
「しっかし、チャゴス王子の悲鳴は凄まじかったな」
「そうでがすねぇ。あんだけ大きい声で悲鳴をあげたんだから、ショック死しても可笑しくねぇでげす」
「もし、死んでたら、密室殺人ね。しかも犯人はトーポとジュイン」
「誰も謎は解けないだろうな。
なんたって、俺達でさえ、こいつらが穴の中で何をやったか、知らないんだし。」
『ジュイン、トーポ、良くやった！！』
王子を部屋から出すことに成功し、無事、兵士に連れていかれたチャゴスは暴れながらも、玉座の間へ行ったそうだ。
エイト達も、急いで玉座へと訪れた。
目の前には、緑色の服を纏った王子がいた。
「おお、丁度いいところに来てくれたな、エイトよ。一応、紹介しておくべきかな」
クラビウス王は、チャゴスに目を向け、紹介する。
「この者が、我が息子にして、サザンビークの次代の王となる者、チャゴス王子であるぞ」
エイト達も目を向けると、男性陣は別に何も思わなかったが、女性陣はあからさまに嫌と顔を歪めた。
チャゴスを捜す前に見た肖像画と全然違うからだ。
肖像画に描かれていたスリムでイケメンな王子は、まったくもって、正反対の王子だったのである。
チャゴスは声を荒げた。
「お待ち下さい、父上！
何故、このような身分の低そうな輩に、この僕を紹介するのですか」
エイト達を指して、言う。
「身分なぞ問題ではない。お前の儀式を補佐してくれる者たちに、お前を紹介するのは当然のことであろう」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 4人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
水竜ルカ(プロフ) - リスタさん» こちらこそ、リクエストありがとうございました！ (2021年8月11日 10時) (
レス) id: 1c18505a05 (このIDを非表示/違反報告)
リスタ - リクエストに答えてくれてありがとうございます！ピカチュウ「ピカチュウ〜♪(ホメロス〜♪)」きっとホメロスになついてしまいましたね♪本当にありがとうございます！ (2021年8月11日 0時) (レス) id: 85e8ed9632 (このIDを非表示/違反報告)
水竜ルカ(プロフ) - リスタさん» か、可愛い！？ありがとうございます！双頭の鷲が仲良くしてたらいいですよね！魔軍司令ホメロス君もやれそうなので、期待に応えられるようにします！！ (2021年8月6日 23時) (レス) id: 597f6561ca (このIDを非表示/違反報告)
リスタ - リクエストに答えてくれてありがとうございます♪双頭の鷲と仲良くね♪ピカチュウ「ピカピカチュウ♪(グレイグ〜♪ホメロス〜♪友達になろうよ♪) 」可愛いですね！ (2021年8月6日 18時) (レス) id: 85e8ed9632 (このIDを非表示/違反報告)
水竜ルカ(プロフ) - メテオさん» ありがとうございます！更新できるよう頑張ります！ (2021年7月3日 20時) (レス) id: 70638f7983 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：竜灸 | 作成日時：2021年6月25日 22時
