冒険の書88 ページ12
緑色の神秘の光が腕を覆い、徐々に傷が塞がっていく。
Aが唱えたベホマという呪文は、あらゆる傷を回復する上級回復呪文だ。
爪によってつけられた傷は跡形も無く、ゼシカの腕からは完全に消えていた。
「A、ありがとう。私のせいで…」
『いや、いいよ。気にしないで。でも…さすが、違う大陸だけにあって、ここの魔物は強いね』
「そうね。それに、早くエイト達と合流しないといけないわ！A、行きましょ！！」
Aは頷くと、先ほどのキラーパンサーをチラリと見た。あいつは氷の玉で遊ぶのは飽きたのか、木陰の近くで眠っていた。
今のうちに道を進んだほうがいいと推測したゼシカとAは、戦闘は避けるようにして進んでいった。
勿論、戦闘は避けていても魔物はしつこく襲ってくるのだが。
「あーもうっ！邪魔ね！」
目の前にしゃしゃり出てきたのは格闘パンサーだった。
「ヒャハハハハハッ！見ろ、俺様のこの筋肉を！鍛えに鍛え、幾度もの人間を殺してきたこの爪を！！フハハハハハッッ！！」
『うわ、うざっ！！ナルシストか！』
格闘パンサーはニヤリと笑い、鋭い爪でAを引っ掻こうとした。
しかし、
「キモい奴はサヨナラ！メラミ！！」
ゼシカのメラミで格闘パンサーの体は燃え、自慢の爪の威力を見せびらかすことは無かった。
やがて、少し歩いた先にトロデ王、それにエイト達が見えた。
「エイト…！ドルマゲスは？」
「ドルマゲスは、多分もうここに居ない。ベルガラックのカジノのオーナー、ギャリングさんが少し前に殺害されていたらしい。
道化師の格好をした奴が…！」
『ええ……じゃあ、奴は何処へ…？』
「心配ねェでげす！それもちゃんと掴んであるでがすよ」
ヤンガスが腕をぐっと伸ばす。
「その殺害された、ギャリングの子供であろうフォーグとユッケが仇を討つために追っ手放ったんだとよ。
んで、その追っ手の向かった先がベルガラックの北にある遺跡だ」
『北の遺跡？道化師の奴はそこに何しに行くんだか…』
「それは分からん。だが、もし其奴がドルマゲスだとしたら、今度こそ追い詰めなくちゃいかん！さぁ、エイト！行ってみようぞ」
ドルマゲスなのか断定はできないが、道化師は、北の遺跡へと向かった。
そして、また船に戻り、航路を確認しつつもベルガラックの北を目指した。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 4人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
水竜ルカ(プロフ) - リスタさん» こちらこそ、リクエストありがとうございました！ (2021年8月11日 10時) (
レス) id: 1c18505a05 (このIDを非表示/違反報告)
リスタ - リクエストに答えてくれてありがとうございます！ピカチュウ「ピカチュウ〜♪(ホメロス〜♪)」きっとホメロスになついてしまいましたね♪本当にありがとうございます！ (2021年8月11日 0時) (レス) id: 85e8ed9632 (このIDを非表示/違反報告)
水竜ルカ(プロフ) - リスタさん» か、可愛い！？ありがとうございます！双頭の鷲が仲良くしてたらいいですよね！魔軍司令ホメロス君もやれそうなので、期待に応えられるようにします！！ (2021年8月6日 23時) (レス) id: 597f6561ca (このIDを非表示/違反報告)
リスタ - リクエストに答えてくれてありがとうございます♪双頭の鷲と仲良くね♪ピカチュウ「ピカピカチュウ♪(グレイグ〜♪ホメロス〜♪友達になろうよ♪) 」可愛いですね！ (2021年8月6日 18時) (レス) id: 85e8ed9632 (このIDを非表示/違反報告)
水竜ルカ(プロフ) - メテオさん» ありがとうございます！更新できるよう頑張ります！ (2021年7月3日 20時) (レス) id: 70638f7983 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：竜灸 | 作成日時：2021年6月25日 22時
