冒険の書21 ページ23
「しかし分からねぇ。自分で濡れ衣着せておいて、
なんだって助けに来たんだ？」
ヤンガスは松明を持って進むククールに問う。
「悪く思わないでくれ。
生憎、ここの連中に俺は信用がないもんでね。
あの場で庇った所であんた達を助ける事はできなかった。むしろ逆効果さ。
…あんたらを尋問してたあいつ…マルチェロは
俺を目の敵にしてるからな。
…それでとにかく一度、牢屋に入ってもらって
後から助けに来たって訳だ」
「とは言ってもあんたから見りゃ、アッシらが
素性の知れない人間ってことに変わりはねぇ。
この魔物みてぇなおっさんが仲間だってのも、
本当のことだ。それを逃しちまってもいいのか？」
「その場には居なかったが、あんたらが院長の命を
救ってくれたことくらい分かってる。
あんたらが尋問室に連れてこられるちょっと前に、
あの禍々しい気が修道院の中から消えたからな。
こう見えて感謝してるんだ。そんなあんたらを
見捨てる程、俺も薄情な人間じゃない。
それに、そちらのレディ達を酷い目にあわせられない」
ククールがゼシカとAを見た。
「…奴の拷問はキツいぜ？」
『それ、どういう意味でキツいのかな？』
「ん？あっはしごだ！」
そんな風に喋っていると、上に続くはしごが現れてそこで行き止まりだった。
「この上から外に出られる」
はしごを登っていくと、何やら草の所から出てきた。
周りを見渡してみると小屋の中だった。
小屋の中には何故かミーティア姫もいた。
「おお！ミーティア！無事じゃったか！！」
「ここって…」
『小屋の中だね。ポルトリンク方面の馬小屋かな？』
「わしがいなくて心細かったじゃろう。
もう大丈夫じゃ。さっここから逃げ出すぞい！
わしは姫を連れて先に外に出ておる。
お前達も早く来るのじゃぞ」
ククールは不思議そうに「…姫？」と言ったが、気にせずに、
「まあいい。俺達も外に出よう。
ここまで来ればよほどのヘマをしない限りは逃げられる。
ま、あれだ。色々悪かった。
それじゃここでお別れだ。
この先のあんた達の旅に神の祝福があります様に」
そう言い残してククールは小屋を出て行ったが、次に聞こえた声は何やら驚いた様な声だった。
エイト達は外に出て何が起こったのか見に行った。
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水竜ルカ - メテオさん» 返信遅れました。コメントありがとうございます！頑張ります！！ (2021年4月29日 13時) (
レス) id: 6d7c17fb01 (このIDを非表示/違反報告)
メテオ - 更新頑張ってください！面白いです！！ (2021年4月20日 20時) (レス) id: 2801cd44d1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：竜灸 | 作成日時：2021年4月2日 14時
