【最遊記】桃源郷の魔法使い〔壱〕 (ページ48)

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Shower of bulets② ページ48

六道「もはやこの俺の身体は、コイツが妖怪の魂を喰らう為の道具でしかない…！」

胸元の呪符は完全に“根”を張っていた

奴はもう…「六道」は、札に取り憑かれた魂の亡者の名だ

六道「この10年間…なんの罪もない妖怪どもを殺しまくってきた。この札と…この札がもたらす激痛から逃れる為に。妖怪どもがトチ狂って人間を襲い始めた後は、こんな俺でも救世主扱いだ、笑っちまうよ…！」

悟浄「イッちまってるよコイツ…どっちが妖怪だってェの！」

六道「どっちが妖怪か確かめようじゃねえか！」

八戒「外へ…！ここじゃ危ない」

悟空「げっ、また濡れんの！？」

激しい雨で視界が悪い

そんな中かろうじて六道の攻撃をかわした八戒だったが、ヤツに腕を掴まれるとジュと音を立てた

八戒「なっ…！？ぐッ…！」

六道「俺の身体は全身が呪符と同化してるんだよ。貴様らは素手で触れることもできんぜ」

と、背後で銃声がなる

「じゃあ触らないでよ」

六道「クッ…」

肩に当たったらしく、八戒と距離を取る

「お兄ちゃん、大丈夫？」

八戒「A…！」

「どーゆー状況なのこれ…」

悟浄「おまっ、起きてきて大丈夫なのかよ！？」

「うん…っ」

こちらまで来るとフラついたため、支えてやった

三蔵「ったく…大人しく留守番もできねーのかよ」

「…みんなが悪い…遅いんだもん…十分待ったもん…頭ガンガンする…ずっと痛い…」

三蔵「…分かったもう喋んな」

悟空「だあッ！」

その隙に悟空が攻撃を仕掛けるも跳ね返される

悟空「足場サイアクっ」

とりあえずAをその場に座らせ、俺はそのまま“屋根の下で”壁に寄り掛かり腕を組んだ

悟空「三蔵…ズリー」

六道「どうした玄奘三蔵！やはり妖怪には手を貸せんか？」

三蔵「違ぇーよ。俺が手ェ貸さなかろーがどうせ、死なねーもんそいつら」

悟浄「…ま、そりゃそーだ」

八戒「死んでもお経上げてくれなさそーですしねぇ」

六道「くッ…ほざけ…！」

いいんだよそいつらは

──守りたいものがあった

それを失った時、初めて自分の腑甲斐無さを知った
俺は手前のことだけで手一杯なんだと

…そんで思った

守らなくていいものが欲しい──

六道「茶番はこの辺で終わりにしようか」

悟浄「近付けねーわ術はハネ返すわ…どーしろってんだよ！」

三蔵「…おい」

雨の中に出て行く

三蔵「下手な義理立てはやめろよ。奴を呪符から解放する術は、たったひとつだ」

懐から銃を取り出した…が

悟空「だめだ！」