【最遊記】桃源郷の魔法使い〔壱〕 (ページ46)

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Rain③ ページ46

江流「…何だよそれ」

朱泱「さて、何だろうね。
(神々しいまでの金糸の髪、深い紫暗の瞳…満月はさながらお前を照らす後光だ…)」

江流「…と、そうだコレ」

懐から数珠を取り出す

江流「やるよ。アンタが持っててくれ」

朱泱「やるよ…って、これお前が拾われた時に身に付けてたヤツだろ！？いいのかよ」

江流「いーよ別に。それに俺、誰かに物あげたことないから、超レアだぜ。ほいじゃ俺行くわ」

朱泱「おお。…さんきゅ」

平穏な夜はひそやかに流れ、そして…悪夢の朝が来る

「三蔵様…！！」

─────

三蔵「ッ…！」

目を覚まし、身体を起こす

何年ぶりだろう…あの時を夢に見るのは…

八戒「大丈夫ですか？」

ベッド横に水を持って立っていた

八戒「ひどく魘されてましたから」

三蔵「そうか…すまない」

八戒「いいえ。実は僕も駄目なんです、雨の夜は」

三蔵「…そうだったな」

…そうか、雨のせいか

すると、何かが割れる音と悲鳴が聞こえてきた

三蔵「何だ…！？」

八戒「行ってみましょう」

悟浄と悟空、Aも目を覚ます

女性「た、助けて！」

悟浄「どうした！？」

女性「調理場に、妖怪が…！」

「ん…ッ！」

三蔵「お前は寝てろ。行くぞ」

八戒「すぐ片付けて戻ってくるから」

「！待っ…」

起き上がろうとして案の定痛みで顔を歪めたAを止め、調理場へ向かった

扉を開けると、そこでは妖怪が人間を殺し腸を貪っていた

悟浄「クソッ…調理場はなァ、モノ食う所じゃねェんだよ！」

そいつを蹴り上げる

八戒「悟浄、後ろにも…！」

悟空「おらァ！」

今度は悟空が殴った

悟浄「寝起きイイじゃんかよ悟空」

悟空「たまにわねッ！さてとコイツらどーす((」

突然札が飛んできて、妖怪達に張り付く

？「唵(オン) ダマカラシャダソワタヤウンタラタカマン…」

この声…！

六道「…我が名は六道」

あの数珠、あの顔…間違いない

六道「この世の妖怪は、一匹残らず俺が滅する」

悟浄「こいつがあの、六道…！」

朱泱…！

女性「あ、ありがとうございます六道様！」

六道「…礼などいらん。これは俺の使命だ」

六道…朱泱であることは間違いないのに、何なんだこの邪悪なオーラは…

あの頃とはまるで別人の様…

悟浄「よくわかんないけど、片付けてくれてラッキーってカンジ？」

悟空「なーんだ、寝よ寝よ」

六道「！…おい」

部屋に戻ろうとした悟浄達に杖の先を向ける

悟浄「…何」

六道「貴様ら人間か？」