【最遊記】桃源郷の魔法使い〔壱〕 (ページ41)

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Charismatic② ページ41

「でも…」

Aはスっと手を離した

「結局、貴女の命は貴女だけのモノ。周りがどう思おうと、私がどう言おうと関係ないよね。ここで自害するのが“八百鼡という人物”なら…そこにしっかりとした決意、誇りがあるなら…別に良いんじゃない？」

八百鼡さんは唇を噛み、短剣を握り締める

「ただし…自害するなら余所でお願いします。少なくとも、お兄ちゃんの目の前では絶対にやめて」

八戒「ぁ…」

Aにはお見通しだったんですね

この状況を、無意識に“花喃(かなん)”と重ねてしまっていた事を…

すると急に、八百鼡さんの周りに竜巻の様な風が起こった

「ッ！？」

それに飛ばされてしまったAを抱き留める

風が収まって見えたのは…赤い髪の男

八百鼡「こ…紅孩児様…！？」

紅孩児…！？

目を覚ました三蔵達も驚く

彼は八百鼡さんを抱えたまま、屋根の上へ着地した

紅「三蔵一行だな？」

この男が…

紅「…我が部下を引き取りに来た。用件はそれだけだ。貴様らとはいずれ又会うだろう。その時まで、命を大事にしておくことだな」

そう言い、背を向ける

悟空「！待てよ！せっかく来たんだから…エンリョしねーで遊んでけって！」

紅「…開」

悟空が攻撃を仕掛けるも、“気”のようなもので吹き飛ばされる

続けて悟浄の攻撃も、人差し指と中指で止められてしまった

悟浄「オイオイ…マジかよ」

紅孩児「俺の番か？」

向こうの攻撃を、Aを降ろして防護壁で防ぐ

八戒「くっ…！」

が、威力が凄まじく押され気味になる

「ふっ！」

防護壁の内側からAも手を翳すと、一気に防御力が上がり凌ぎきった

八戒「！今のって…」

「…何だろ？」←

紅「…ほう」

三蔵「そこまでだ」

紅孩児の後頭部に銃口を突きつける

紅「…よく登って来たな」

三蔵「おかげで服が汚れた。随分と派手な御挨拶をどーも」

紅「そんな銃(モノ)じゃ俺は殺せん」

三蔵「それくらい見てりゃ分かるよ」

銃を下ろす

三蔵「あんたには、聞きたいことが山程あるんだ“王子様”」

紅「生憎だが、日を改めて出直すとしよう。この界隈で戦うと民家を巻き込みかねん。今迄の部下の非礼は詫びておこう。…だが、貴様らが我々の計画を阻む限り、必ず貴様らを抹消させてもらう」

三蔵「人付き合いは苦手なんでな。手短に願いたいもんだ」

紅「同感だ」

そして姿を消した

悟空「あいつ…強ぇッ」

「悟空…？」

悟空「無茶苦茶強ぇじゃんかよ…！超〜ッ面白え！」