【最遊記】桃源郷の魔法使い〔壱〕 (ページ5)

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First day① ページ5

八戒「では、今日はここで野宿ですね」

悟空「初日から！？」

悟浄「マジかよ…」

三蔵「ﾁｯ…」

八戒「仕方ないじゃないですか、次の町までまだまだ掛かるんですから。暗くなってから森を進むのは危ないですし」

お兄ちゃんの決定によって、不機嫌になる三人

私は車から降りて荷物を開けた

「野宿でも美味しいものは作れるから、心配しないで？」

悟空「Aの手料理食えんの！？よっしゃ！」

これだけで機嫌を治す悟空はホント可愛い

悟浄「すっかり餌付けされてやんの」

悟空「餌付けって…！そう言う悟浄だって、Aの料理好きだろ？」

悟浄「まあな。“毎日”食べても飽きないぜ」

悟空「あーもう、ずりぃーーー！」

私とお兄ちゃんと悟浄は同居

悟空と三蔵は寺院に居たからね

三蔵「騒ぐな！てめぇも旅の間は毎日でも食えるだろうが！」

悟空「あ、そっか」

八戒「あはは。じゃあ、さっそく準備に取り掛かりましょうか。悟空と悟浄は薪になるものを集めて来てくれますか？」

悟空「はーい」
悟浄「へいへい」

二人が森の中へ行き、私とお兄ちゃんは食料を眺める

八戒「何作る？」

「初日だからね…ここは定番のカレーとか？三蔵は何かリクエストある？」

三蔵「別に何でもいい」

そう呟きながらライターで煙草に火をつけた

「…三蔵も、悟浄に負けないくらいヘビースモーカーだよね。悟浄と違って“純粋な人間”なんだから、ほどほどにするんだよ？」

三蔵「うるせー」

八戒「A、あれはそうそう治らないんだから諦めなさい。それより、野菜切って下拵えするよ」

「うん」

しばらくすると、悟空と悟浄が戻ってきた

悟浄「これくらいあれば十分だろ」

「ん。ありがと」

用意していた場所に置いて貰うと、手を翳して火を付けた

そしてコップにも手を翳して水を入れ、二人に差し出す

「お疲れ様。もう少しで出来るから待ってて」

悟空「すげ…Aの魔法って、野宿に最適じゃん」

悟浄「確かに。水汲みとか火起こしとか、結構面倒だからな」

「本当は、木の枝もここに居ながら集められるけどね」

二人は水を吹きそうになる

悟空「そうなのか！？」

悟浄「俺達の苦労何だったんだよ！？」

八戒「Aの力に頼りすぎるのは良くないですよ。それに…貴方達は、可愛い可愛い僕の妹だけに働かせるつもりで？」

悟空・悟浄「「ｲｲｴ！」」

三蔵「言っただろ。猿と河童は好きなようにコキ使え」

悟空・悟浄「「お前に言われるとムカつく！」」