【最遊記】桃源郷の魔法使い〔壱〕 (ページ33)

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Change seats① ページ33

火を焚いて風を吹かせる

「…ｸｼｭ」

八戒「とりあえず1着分だけでいいからね？」

「ん…」

八戒「全く、懲りない人達で困りますよねェ」

私と背中合わせに座るお兄ちゃんは、わざと少し大きな声でそう言った

悟空「だってコイツが…！」

悟浄「はあ！？テメェのせいだろーが！」

三蔵「うるせぇ！黙って引っ込んでろ！」

またじゃれあい始めた二人を、三蔵が木の影へ引き戻す

何でこの配置かと言うと、私が下着姿だから…

「ホント、懲りないよね。間に私がいても容赦ないんだもん」

八戒「いっその事、席替えしようか？」

三人「「「！？」」」

「私と三蔵がチェンジってこと？」

三蔵「却下だ！」

はっきりと声が聞こえてくる

八戒「ですよねェ…あ、そろそろ乾いたんじゃない？」

「！ホントだ」

私が先に着替えると、三人も戻ってきて着替えた

八戒「で、少し前から考えていたんです」

悟浄「ん？何を？」

八戒「席替えの件です」

悟空「三蔵が後ろでAが助手席って話？」

三蔵「だからそれは却下だ」

八戒「そこで…」

白竜「キュー！」

お兄ちゃんが白竜に目配せすると、ジープに変身する

八戒「あ、出来てますね。さすがです♡」

首を傾げ、隣に行って覗き込んだ

八戒「白竜にお願いして、前の席をベンチシートにしてもらったんです。Aにはここに座ってもらおうかと」

悟浄・悟空「「おー！」」

八戒「内装の変更には練習が必要だったみたいで、実装まで少し時間は掛かりましたが」

「ありがとう白竜♪」

ジープを撫でると、嬉しそうにライトが点灯する

三蔵「馬鹿二人はどうしようもねーから、Aを避難させたってワケか」

八戒「これで心置きなく撃てるでしょう？」

三蔵「そうだな」

悟浄・悟空「「オイッ！＃」」

すると急にグラッと視界が揺れ、ジープに掴まったまましゃがんだ

「っ…」

八戒「A…！？」

すぐ私を支え、額に手を当てる

冷たくて気持ちいい…

八戒「ああ、やっぱり熱が出てますね」

悟浄「なっ…！」

悟空「マジで！？」

三蔵「どっかの馬鹿共のせいで二日連続で川に落とされたんだ。無理もねぇな」

悟浄・悟空「「ｸﾞｻｯ…」」

お兄ちゃんは私を抱えて新しい席に乗せた

八戒「とにかく、急いで出発しましょう。次の街まで二日…つまり、今夜は野宿の予定でしたけど…」

悟空「野宿はダメだろ！」

悟浄「何とか今日中に着かねぇとな」

八戒「ええ。ジープ、飛ばしますよ？」

白竜「キュー！」