【最遊記】桃源郷の魔法使い〔壱〕 (ページ28)

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Cleaning beauty③ ページ28

半「いなくなる四年程前にこの村に来たからね、本名かどうかは知らないけど…何だ知り合いかい？」

悟浄「…いや、どうだろうな…」

夜になり、ジエンさんの寝室に集まる

悟空「あれ？悟浄はぁ？」

三蔵「さあ？便所じゃないか？」

悟空「げ、何コレ」

ベッドの他に床に布団が3つギッシリ並べられている

三蔵「あのオバサンがどうしても一晩泊まってけって。修学旅行じゃねぇっつーの」

悟空「あはは…」

八戒「ま、お世話になったことですし、お言葉に甘えましょう」

悟空は私の隣に座った

「どーしたの？」

悟空「…なー、いい加減教えてよ。前っから悟浄が捜してる“ジエン”ってのは何者なんだ？」

八戒「僕もおトイレお借りしますか」

よいしょと立ち上がる

三蔵「本持ってか？」

悟空「ばっくれんなよッ！…A〜」

「…本人に直接聞いたら？」

悟空「ぜってー嫌」

面白くなさそうに枕をギュッと抱き締めた

悟空「なんか…俺何にもヒミツとかねーのにアイツにあるのってズルイじゃんか」

三蔵「…ガキ？」

悟空「悪かったなガキでよ！まだ未成年だもんよ！」

「…いいんじゃない？話しても。悟浄に口止めされてるわけでもないし」

八戒「…そうだね」

悟空と反対の隣に座り直す

八戒「そのヒトの名前は“沙爾燕”。悟浄が8歳の時から行方不明のままの命の恩人…そして、お兄さんだそうです。いわゆる“腹違い”の…」

三蔵「…つまりその“爾燕”って男は、“純血の妖怪”ってことか」

八戒「ええ。爾燕は本妻のお子さんだそうです。悟浄が本妻に殺されかけたところを救ってくれたとか…
普通の子供なら殺されることなんてなかったんでしょうけど。悟空達も知ってる様に、悟浄は妖怪の父親と“人間”の愛人との間に生まれた混血児───
いわば、禁忌の子供ですからね」

話し終わり沈黙が広がると、ちょうど良く悟浄が戻ってきた

悟浄「…何？どしたの？」

八戒「───さて問題です」

笑顔で人差し指を立てる

八戒「おばさんが敷いてくれた布団は3組。そして特等席といわんばかりのベッドがひとつ…」

三蔵「…まさか、この俺に床で寝ろなどとでも言うつもりか？」

悟空「五日も野宿してたんだぜ？俺だってベッドがいいッ」

悟浄「誰もヤローとなんざ肩並べて寝たかねーっつの」

「…私はお兄ちゃんと寝れればどこでもいいかな」

八戒「ふふ。でも、やっぱりここはレディーファーストだよね？」

そうにこやかに頭を撫でられた

悟浄「…勝負だな」