【最遊記】桃源郷の魔法使い〔壱〕 (ページ27)

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Cleaning beauty② ページ27

扉がノックされた

半「旬麗！アタシだよ、入っていいかい？」

旬麗「あ、おばさんだ。どうぞ！」

中へ招き入れる

旬麗「お隣りの半(パン)おばさん。料理が凄く上手いんです」

半「お昼ごはん作ってきたよ！皆で食べとくれ」

悟空「うまそー！これ喰っていーの！？」

半「ああ、もちろんさ」

悟空は相変わらずだね

半「オヤまあ色男ぞろいじゃないか！アタシもあと10年若ければねェ」

悟浄「20年の間違いでしょオバチャーン」

「悟浄…そーゆーこと言わないの」

半「あら、可愛らしいお嬢さんも一緒なのかい？男だらけもまた大変だろう？」

「んー、もう慣れちゃった。お兄ちゃんもいるし」

半「お兄ちゃん？」

八戒「あ、僕です」

半「ほお…髪や目の色がそっくりだね」

「でしょ？♪」

似てると言われて嬉しくなる

その後、食事をしながらお話をした

半「…へぇ。じゃあアンタ達は西へ向かっているのかい。この村はいい所だよ？しばらくいるといい」

三蔵「少々訳ありでな、先を急いでいる」

半「いいさ。若いうちは旅をするモンだ。それにね、アタシはアンタ達に感謝してるのさ」

「感謝？」

半「ああ…何せ、旬麗の笑顔なんて久しぶりに見れたから」

悟空「え？何それマジで？」

眉を下げ溜め息を吐く

半「…旬麗にはねぇ、そりゃあ仲の良い恋人がいたんだよ。だけど彼は、妖怪だったんだ…
人間と妖怪…異種間の交わりが禁忌とされていることくらいアタシらだって知ってたさ。だけど二人とも本当に働き者のいい子達でね。村人達は誰もが二人を祝福していたよ。
だけどそれも、一年以上前の話さ。アンタ達も知ってるだろう？世界中の妖怪達が急に凶暴化したことを…
彼は、完全に自我をなくす前に───って、旬麗を振り切って飛び出してっちまったのさ。そしてそれっきり帰ってこなかった。旬麗はその日から笑顔をなくしたんだ…」

八戒「…じゃあこの服は、その方の物なんですね」

半「綺麗に洗濯してあるだろ？あの子は…恋人がいつでも帰ってこられる様に、淋しさをまぎらわす様に、いつもああやって洗濯しているのさ。
その大事な服をあんた達に貸したのも、「笑ったお詫び」じゃあなくて、笑顔を与えてくれたお礼なんだろうよ」

窓の外で洗濯物を干す旬麗さんに視線を向ける

半「アタシ達はね、兹燕が生きていることを願うばかりだよ…」

私とお兄ちゃん、悟浄はその名前にピクリと反応した

悟浄「その男、ジエンってのか！？」

半「ああ、そうだよ」