【最遊記】桃源郷の魔法使い〔壱〕 (ページ22)

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His god⑤ ページ22

悟空「何？どしたの」

悟浄「さーね」

つまらなそうに新聞を広げた

八戒「…ところでこの寺院は、妖怪の被害にあったことはないんですか？」

葉「ええ！もちろんですともっ！この寺院は、御仏の御加護により俗物が寄り付かないと言われております。我々の篤い信仰が通じてのことでしょう」

悟空「じゃ、武器とか何も置いてないの？」

葉「そりゃあ殺生は仏の道に反しますから」

悟浄「ちっ、めでてェ奴ら」

八戒「…となると、なおのこと僕らがここに長居するわけにはいきませんね」

その後、三蔵は僧正さんに呼ばれて部屋から出て行った

悟空「牛肉〜豚肉〜トリ肉〜魚肉〜」

悟浄「女〜酒〜煙草〜」

八戒「煩悩の固まりですねぇ」

私は窓から三日月をボーッと眺めている

すると、下を何らかの影が横切った

「？ねぇ、今…」

ドン！

悟空「うわ！なんだ！？」

建物全体が大きく揺れ、妖気を感じる

悟空「まさか、また刺客かよ？」

八戒「残念ながら、その様ですね」

さっき影が向かった先は…

「！みんなが危ない…ッ」

扉を開けてそこへ駆け出した

悟浄「あ、こら！だから勝手に先に行くなって！」

八戒「全くもう…」

悟空「待てよー！」

三蔵「───で、なんですか？話というのは」

僧正「実は是非とも三蔵様に、この寺院への長期滞在を願いたく存じまして…」

どいつもこいつも、気持ち悪いくらいにニコニコしてやがる…

三蔵「私は先を急いでいるのだが」

僧侶「一か月…いえ、一週間でも構いません！」
僧侶「三蔵様がこの寺院に立ち寄られたのも全て、御仏のお導き。そうに違いありません！」
僧侶「是非説法等にあやかりたいと皆も申しておりまして…」

三蔵「フッ…あんた達、光明三蔵にも同じこと頼んだだろ」

僧正「ええ…それは、丁重にお断りされましたが」

三蔵「本当に甘い人だな、あのお師匠様は。失礼する」

彼らに背を向ける

僧正「さ、三蔵様！？」

三蔵「光明三蔵法師があえて言わなかったことを、俺が言ってやろうか？
“いいトシこいてわがままぬかしてんじゃねーよ”」

僧正「な…なんということを…！」

僧侶「口が過ぎますぞ三蔵様！」

うるせーんだよ
バーカ
ハーゲ

僧侶「大変でございます！」

どうしたモンかと思っていると、いいタイミングで扉が勢い良く開かれた

僧正「どうした騒々しい！常に平常心を忘れてはならぬと…」

僧侶「それどころではございません！妖怪に侵入されました！」

三蔵「！」

僧正「何！？」