【最遊記】桃源郷の魔法使い〔壱〕 (ページ21)

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His god④ ページ21

「そう、なの…？」

悟浄「男物だし、大きめの服着てる方が女の子特有の身体のラインが出にくいからだろ。ま、Aちゃんは元々胸が小((」

スパーンッ！

悟浄「ぐはっ」

三蔵「ああ、手が滑った」

八戒「ナイスです、三蔵」

ここ最近で恐らく一番の威力のハリセンかもしれない…

でもその理由が分からず首を傾げていると、お兄ちゃんが優しく私の髪を梳いた

八戒「たまたまとはいえ、髪も短いしね」

悟空「だからと言って、Aを男と見間違えるなんておかしいだろ！こんなに可愛いのに！」

あまりにもハッキリとストレートに言われて、少し顔が火照る

八戒「悟空…」

お兄ちゃんも苦笑いした

悟浄は…まだ倒れてる…

三蔵「ま、どうせ馬鹿真面目なあの連中には「ここに女は居ない。居るはずが無い」という固定観念があったんだろ。それが大きな要因だろうな」

悟空「固定観念…？」

八戒「要するに、思い込みって結構脳を大きく左右するんですよって話です。それに今回は、皆さん三蔵に注目していましたから。僕らの事なんて眼中になかったでしょうし、尚更です」

悟空「あー、なるほど…？」

あまり分かってなさそう…

まだ寝るには早いからと麻雀を始めた

悟空「わちゃーもう腹減ってきたっ！ここの食い物って豆とか野菜ばっかなんだもんよ〜」

八戒「仕方ないですよ、精進料理だから。一応」

悟浄「線香の臭いが染み付いちまうわ」

三蔵「ま、明日まで辛抱するこったな」

「私は好きだよ？お線香の香り。あ、お兄ちゃんロン」

すると、扉が勢い良く開かれる

葉「何なさってるんですかーッ！」

さっきの子だ…

悟空「麻雀」

葉「うあ、煙草なんか吸ってはいけません、三蔵様」

三蔵「あー？」

葉「に、女人禁制なんですから、勿論そ、そういうのも駄目ですッ！」

「そーゆーの？」

顔を赤くして指を刺され、首を傾げる

八戒「うーん…距離が近いって事かな？」

距離？お兄ちゃんにピッタリくっついて座るのはいつもの事だけど…

悟浄「よっ、マルコメ君。かけつけ一杯」

葉「あああ〜缶ビールなんか持ち込んでる〜！」

困り果てたらしく、大人の僧侶を呼んできて全て没収されてしまった

僧侶「まったく…三蔵法師ともあろうお方が、何故あの様な下賎な輩をお連れに…」

すると、三蔵が僧侶の顔の横の壁にドンッと手を付く

三蔵「喉、渇いたんだけど」

僧侶「は、はいっ！ただいまお茶をお持ちします！」

そう言って、逃げるように部屋を出て行った