【最遊記】桃源郷の魔法使い〔壱〕 (ページ14)

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Get square① ページ14

悟浄「おい、お前の銃じゃんよ。S&WのMIO」

三蔵「拾い物にはお礼一割だな」

八戒「A、僕を見て。A」

両手で顔を包み、必死に呼び掛ける

「っ…おに、ちゃ…」

八戒「！うん」

ようやく我に返ったらしく、ホッとしてAの涙を親指で優しく拭った

蜘蛛「…おのれ。人間ふぜいが…！」

すると、倒れていた妖怪をガシッと掴む

三蔵「！…ﾁｯ見るなA！朋茗！」

次の瞬間、蜘蛛がその妖怪を喰らった

悟空「うげ〜仲間を喰ってやがる！？」

八戒「妖力を取り込んで、傷を修復してるんです」

悟浄「男を喰らう、か。まさに蜘蛛女だな」

僕はいち早く気付いて、Aの顔を胸に埋めるように抱き締めたけど…

朋茗「い…いやあぁぁああ！」

向こうは間に合わなかったらしい

朋茗「嫌い！大ッ嫌い…！妖怪なんて…妖怪なんて───！死んじゃえばいいんだ！」

バキッ

その言葉で一瞬固まった悟空が、蜘蛛の足で吹っ飛ばされた

八戒「悟空！」

悟浄「ックソが！」

今度は朋茗さん達に攻撃しようとしたのを、立ち上がった悟空が防ぐ

悟空「いい加減にしろよテメェら！この人達は関係ねェだろうが！」

蜘蛛「…ボウヤこそ、何故そこまで低俗で無力な人間なんぞに味方する！？ボウヤ達だって、もとはと言えば…我々と同じ妖怪じゃないか！」

朋茗「…え？」

呆然とする朋茗さん

悟空「…るせーや。人間だとか妖怪だとか、そーゆーちっちぇえことはどーでもいいんだよッ！ただ飯がうまかったんだ。そんだけ！」

朋茗「！」

父「………」

八戒「いやはや実に悟空らしい言い分ですねェ」

三蔵「動物的本能だな」

蜘蛛「この愚かな裏切りどもが！喰ってあげるわ！」

三蔵「八戒はA達を頼む。悟空と悟浄は少し時間を稼げ。俺が奴の動きを封じる」

悟空「っしゃ！」

悟浄「こっちだ蜘蛛女！」

三蔵「観自在菩薩行深般若波羅蜜多…」

二人が気を引いている間に、三蔵は唱え始めた

朋茗「あ、貴方達は一体…？」

八戒「話すと長くなりますが、妖怪の暴走には原因があるんです。…どうか忘れないで下さい。種族の違いに隔てなどないことを」

三蔵「オンマニハツメイウン…魔戒天浄！」

経文により巨大蜘蛛の動きが止まるのとほぼ同時に、トンと胸を押された

「ふっ…！」

ドンッ

Aが手を翳した瞬間、爆発が起きる

煙が引くと、妖怪達は一掃されていた

「良いとこ取りしちゃった♪」

八戒「A…」

無理に平然を装っているのは明らかだった