＊ ページ49
.
二人は目の前に置かれたコップをガッと掴み取り、喉に流し込んだ。ごきゅっごきゅっと喉が鳴り、キンキンに冷えた水が体を通って行くのが分かる。そして、レモンのお陰で口内が爽やかになった。
『は〜〜〜い"き"かえ"ったぁ"〜〜〜〜』
「セシルの作るレモンウォーターは格別だぁ〜〜〜！」
Aは体を起こし、鉢巻きを取る。
コックコートも脱ぎ、タンクトップになった。
「こーら。はしたないわよ〜？」
『家族しかいないから大丈夫でーす』
「……俺もいるんやけど？」
Aは鉢巻きを顔に置いたまま微動だにせず、声で人物を当てた。
『蘇芳も家族みたいなもんだから、大丈夫でーす』
「……俺達は？」
「ねェ〜？」
「はしたない女じゃけえ……」
『……三大将もいるなんて聞いてないんですが』
Aはゆっくり起き上がり、コックコートを羽織る。
「あらー残念。セクシーだったのに」
『ふわああ……なんのご用ですか？三大将』
「いや、料理の感想をね」
『あー…お口に合いましたか？』
「めちゃくちゃ美味かった。また作ってよ」
「次は味噌ラーメンも作ってくれると嬉しいねェ〜」
「わしは別の激辛料理が食いたいのう」
「んじゃ俺はシェリー酒使ったデザート食いてぇな」
「俺、練りきり食いたいなぁ」
『みんな好き勝手に言って……またこんどつくります…よ……』
Aは疲れてカウンターに突っ伏して寝てしまった。
蘇芳はAの頭を優しく撫でた。
「あら、寝ちゃったわね。ふふ、蘇芳君。部屋まで運んでくれる？」
「任せてください。ほな、三大将お先に失礼します」
三人は軽く返事をした。
蘇芳はAを抱っこして部屋まで運んで行ったのだった───
「ふふっ本当にAはがんばり屋さんなんだから」
疲れてカウンターに突っ伏していたブロングが起き上がり、言葉を発する。
「ボルサリーノ、サカズキ、クザン君」
「「「なんだァ〜い？ブロング/…なんじゃ/(名前呼ばれた…！)はい…？」」」
.
「娘を宜しく頼む」
ブロングは三人に向けてゆっくりと頭を下げた。
「……あいつが慕っとるのはクザンじゃけぇ」
「そうだねェ〜」
「いやいや、俺より蘇芳じゃない？」
「……三人とも？」
うっすらと覇気を出すセシル。
「「「任せてください」」」
母の威厳には敵わないのであった。
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 188人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「ONEPIECE」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
斉和(プロフ) - 防弾チョッキ（初心者）さん» う…！(吐血) 有難いお言葉に嬉死する…！ありがとうございます！ (2022年5月14日 1時) (
レス) id: 667609841b (このIDを非表示/違反報告)
防弾チョッキ（初心者） - 初めまして。作品拝見させていただきました。素晴らしいですね。（鼻血）天才でしょうか。 (2022年5月13日 22時) (レス) id: 16da95312d (このIDを非表示/違反報告)
斉和(プロフ) - ユイさん» ふわああ…ありがとうございます！嬉しいです！ (2022年4月27日 0時) (レス) id: 667609841b (このIDを非表示/違反報告)
ユイ(プロフ) - 面白かったです!!!最高すぎます!!!!! (2022年4月26日 19時) (レス) @page6 id: 82f627da90 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：斉和 | 作成日時：2022年4月25日 16時
