【ONEPIECE】狐面の男～『白死の黒』～【男主】 (ページ8)

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５話ページ8

《リズ目線》

Aさんが元帥室に入っていった。

私は壁によっかかり、物思いにふけっていた。

「何でAさん、狐面つけてるんだろ？」

これでも一年Aさんの部下をやっているが、この謎は未だに解けない。

顔を隠すため？

相手と目を合わさないようにするためとか？

もし、後者だったら･･････

Aさん、実は恥ずかしがり屋だったりして。

「･･･まあ、それはないかな。」

にしても、真っ黒な着物とはどんなものか。

狐面が余計に、怖く見えてしまうだろうに････。

･･･Aさん、真っ白な着物なら似合いそう。

うん････白い着物なら、そこまで怖くない。

「今度、Aさんに白い着物を着てもらおう！！」

なんて、Aさんが聞いたら怒りそうな妄想をしていた。

すると、「ガチャッ」と扉が開く音がした。

Aさんが出てきたのだろう。

私はノリでなんとなく、寝たふりをしてみた。

「･･･････。」

『････。』

我ながら、完璧な寝たふりだ。

部屋から出てきたAさんは、そんな私を(多分)ジッと見た。

寝ていたら起こしてくれ、と言ったし･･････

果たして、起こしてくれるのだろうか？

「･･･････。」

『････。』

･･･あれ？何だろう、この状況。

いっこうに起こしてくれる気配がないのだけれど。

･･･あっ、Aさんが動いた。

「･･･････え？」

Aさんは、寝ている(フリの)私を置いて、そのまま歩いて行ってしまった。

「え･･･ちょっと･･････Aさん！？」

慌てて走って、Aさんに追いつく。

まあ、そもそも上司に起こしてもらうってのは、かなり無礼だろうけども･･･

だからって置いていくことない！

「ちょっ････Aさん！何で、置いていってるんですか！
　寝てたら起こしてください、って言ったじゃないですか！」

『･･･寝てたのか。』

『死んでるかと思ったのだが･･･』と呟いてるAさんを、

私は全身全霊のポジティブ精神を駆使して無視する。

「･･･あれ？その書類、何ですか？」

Aさんの手には、来るときには無かった書類。

『･･･書類だが？』

「･･･いや、ですから、何の？」

『･･･クザンに渡す書類だ。行くぞ』

「はい！」と返事をして、また歩く。

･･･普通、「それ何の書類？」と聞かれて、「書類。」

なんて、答えるかな･･･。