【ONEPIECE】狐面の男～『白死の黒』～【男主】 (ページ4)

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１話ページ4

《※リズ目線》

海軍。

それは、善良な市民を、海賊という悪から守るという正義の機関。

海軍本部を拠点として、今日も世界の海の平和を守っている。

そんな海軍本部の廊下を、私は今、早歩きで通っている。

「･･････」

カツカツ、と小刻みに自分の足音が廊下に響く。

私はあまり身長が高くないから、足を早く動かさないと、早く歩けない。

ふと、後ろから話しかけられた。

「あれｪ～、リズちゃん～そんな急いで、どこに行くんだい～？」

「あっ、黄猿さん。」

振り返って目に入ったのは、黄色いスーツを着た男の人。

この人は、海軍大将『黄猿』さん。

海軍の中では、元帥の次に偉い人だ。

私は、黄猿さんの質問に答える。

「さっき、元帥が、中将に元帥室に来るようにと伝言を･･･
　ですから、中将を呼びに行くところです。」

「中将･･･あァ、Aのことねｪ～。」

中将。一口にそう言ったが、海軍にも中将はたくさん居る。

私が言ったのは、私の専属の上司に当たる人。

つまり、黄猿さんが言った、中将Aのことだ。

「･･･にしても～･･･君も、Aの下について、結構長いよねｪ～。」

「そうですか？
　あと少しで一年、というぐらいですけど･･･」

「長いよｫ～。
　ほら、Aの部下で一年っていうのは、結構タフだしねｪ～。」

･･･たしかに、Aさんの部下を一年続けたのは、かなりすごいのかもしれない。

少なくとも、Aさんの部下を一年続けたという人は聞いたことが無い。

何故かというと･･････まぁ、それは後で話すとしよう。

「あァ、センゴクさんに呼び出されてるんだっけｪ～。
　じゃあ、急いだ方がいいよねｪ～。」

「ええ、そうですね。すみません。」

「あっ、じゃあ最後にｨ～。」

歩き出そうとする私を引き止めて、黄猿さんが一言。

「Aはあれでいて、結構さみしがりだからさァ～。
　手がかかるだろうけど、頑張ってねｪ～。」

「･･･分かりました。では、失礼します。」

ペコリ、と軽くお辞儀をして、歩き始める。

･･･私はたまに、黄猿さん達が言うAさんと、
私が知るAさんは、別人なんじゃないかと思う。

さっきのだって、私が手をかけるんじゃなく、私が手をかけられてるのだ。
だって部下だし。

それにAさんは、さみしがりじゃ無い。絶対。

･･･まぁきっと、これから物語が進むにつれて、それは理解してもらえると思う。