【ONEPIECE】狐面の男～『白死の黒』～【男主】 (ページ19)

今日:8 hit、昨日:15 hit、合計:132,605 hit

１６話ページ19

「薬･･･？何のですか？」

『･･･ん？』

Aさん、どうやら話を聞いていなかったようだ。

『･･･何がだ？』

「薬ですよ、薬。何の薬ですか？」

『･･･薬、だが。』

「･･･ですから、何の？」

『･･･薬、だが。』

･･･お決まりのやつだった。

「･･･え、でも何でですか？
　薬をもらいに行くだけだったら、青雉さん要らないじゃないですか。」

「俺を物みたいに言わないでよ･････

　････あー、でも････リズちゃんも知っといた方がいいか････
　あのね、保健室にAを１人で行かせちゃダメだよ。」

「はい？」

いきなり何を言い出すんだろう、青雉さん。
でも、冗談ではないようだ。

Aさんに目を向けると、
嫌なことを思い出したかのように、不機嫌オーラが増していた。

「････えっと････なんでですか？」

「Aを一人で保健室に行かせようものならね。」

青雉さんが、本当に真面目な顔で言う。

「保健室が、地獄と化す。」

「･･･は？」

「というか、戦場になる。」

「は？」

「殺し合いが始まる。」

「はあ？」

意味不明なことを言い始めた青雉さん。

真面目な顔をして、何を言い出すかと思ったら････

「いや、冗談じゃないんだよ。リズちゃん。」

「いやいや。保健室で殺し合いとか･･････
　Aさん、冗談ですよね？」

『･････ふん。』

Aさん、しばし沈黙。

私から顔をそらした。

･････え？

「･･･え、いやいや････否定してくださいよ、Aさん。」

「だから事実なんだって。信じてよ。」

「いやいやいや････保健室で殺し合いって････Aさんが？」

Aさんは、他人に近寄らず、他人を寄せ付けず、な人だ。
殺し合いをするほど、他人と関わるなんて････

「A、保健室の医者で仲悪い奴が居てね。
　いや、仲がいいのかな。」

『よくない。』

Aさん、断言。

まぁ････殺し合いをする仲を、仲がいいとは呼ばないだろう。

「さっきも殺し合いになっちゃってさ････
　自制してちょうだいな。止めんの大変なんだから。」

『あいつが先に刃物投げてきただろ。』

「･･････刃物、投げるんですか？」

「うん。タクティカルナイフ、ってやつね。」

当たり前のように話す２人。

･･･あのね、青雉さん、Aさん。

普通、刃物を投げる医者なんて、存在しませんからね？