【ONEPIECE】狐面の男～『白死の黒』～【男主】 (ページ17)

今日:14 hit、昨日:0 hit、合計:132,596 hit

１４話ページ17

「･･････え、えっと･･････一体それは･･････何故？」

「･･･知るかよ。
　覚えてねえもんは、覚えてねえ。思い出せねえ。」

「本当、綺麗さっぱり忘れてるのよね。
　忘れてるというか、そこの記憶だけ塗りつぶされたかんじよ。」

「ハァー･･･」とため息を吐く２人。
眉をしずめて、気分が白濁沈殿しているかのようだ。

「･･･そういえばよ、Aさんの他に２人居たような気がするんだが。」

「･･･私もよ。･･･････誰だったかしら････････思い出せないわ･･･････。」

ヒナさんまで、タバコを吸い始めた。

･･･このヘビースモーカーコンビめ。

「････でもそれは･･･････ちょっと、不自然すぎませんか？」

「不自然どころの話じゃねえだろ。怪奇現象だぜ、これは。」

「Aさん七不思議の一つよ。昔の部下の記憶が無い。」

「･･････へ？ Aさん七不思議？」

何だそりゃ。

初耳だ。

「何ですかそれ？」

「Aさんの主な７つの摩訶不思議。」

何だそりゃ。

･･････めっちゃ気になる。

「残りの６つも教えてください」と言おうとして、ヒナさん達の方を見た。

すると、２人はある方向を見て固まっていた。

･･･ため息ついたり、タバコ吸ったり、固まったり、忙しい人達だな･････。

何なんだ一体。メデューサと目でも合ったのか。

「･･････？」

２人の見ている方向に、私も首を向ける。

そこは、食堂の入口。

「･･････え！！？」

驚いた。

･･････今日、驚くの何回目だろう･･････。

そんな私達に気づいて、その人は話かけてきた。

「あらら？４人とも固まっちゃって、どうしちゃったワケ？」

「･･･青、雉･･･さん。」

話かけてきたのは、青雉さん。

でも、私達が驚いているのは青雉さんに対してじゃない。

青雉さんの、後ろに立っている人物。

袖に隠れて見えないが、不機嫌そうに腕を組んでいるであろう事がうかがえる。

その姿は、闇夜の染めたがごとくに黒く、地獄さながらに黒い。

表情を伺うことを許さない、その狐面。

「･･･A、さん･･････？」

『･･････ああ。』

Aさんが、そこに居た。