ちょっと変わった山姥切国広と、男に無防備な審神者ちゃん【２】 (ページ4)

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＿＿前田藤四郎と山姥切国広が裏で動いていることなど知らぬ今剣はというと、謎の男女二人組を前に首を傾げはてなマークを頭上に浮かべていた。今剣の横では昼食の準備をしていた、客が来たのだがとても重要な内容なのできてほしい、客人に茶を用意する暇なども与えてもらえず引っ張ってこられた歌仙兼定もはてなマークを浮かべる。

というのも、突然やってきた二人は暫く不在の主に頼まれた代理審神者、らしくまるで薫が数日は帰ってこない口ぶりである。

書類に、あの生真面目で仕事熱心なへし切り長谷部がついていて数日もかかるだろうか、僕は傾げた頭でやる気に満ち溢れていた今朝のへし切り長谷部の顔を思い出す。あの様子では半日とかからないだろう。

傾いた首を戻して隣に座る彼を横目でみれば、露骨に警戒している。

「あたしはまだ未熟ですが、短い間、リューさんの代わりを務めさせていただきます」

ーこの女は今誰の名を呼んだ。

この本丸の主は薫だ。リューなどという名ではない。

この二人は一体誰だ。

芽生えた不信の芽が一気に膨れ上がる。僕はこの二人に感じた気味悪さを思い出して、握り拳を二つのつくって相手を睨めつける。主様の代わりだといったが、仮に主様の代わりであるならば名を間違えたりしないだろう。

「あーー」

ーなたはだれですか

僕がそう言葉を発するよりも早く僕と歌仙兼定の正面、男女二人組にとって背後にある襖が勢いよくスパーン！と良い音をたてて開かれた。襖を開けた主は＿＿白字で大きく駆逐してやる！と、有名なアニメのセリフがプリントされた黒地のＴシャツをきた＿＿あきらかに寝起きで機嫌の悪い特別鎮圧部隊一寝起きの悪い男・二の丸が主の一人セイであった。眼のしたのクマが彼が寝不足であること、左右前後に激しく跳ねている寝癖が寝起きであると物語っている。

「前田ぁあ、お前が言ってた怪しいヤツって、コレかぁ……？」

唖然とする僕らをよそに、襖からひょこと顔だけをだした前田藤四郎が男女二人をみてコクリと頷くとセイは背後に控えていた太刀・一期一振と打刀・同田貫正国がそれぞれ手にしている縄で、一期一振が女を同田貫正国が男を捉える。激しく抵抗するかと思われたが男は悪態をつくだけで抵抗はしなかった。