夏休みスペシャル≪なんてアンビリーバボー≫ ページ13
原家の次男坊・忠昭は小学校三年生の時に義妹の父親の幽霊を見たことがある。それも自宅の廊下で。
その日は忠昭以外外出していた。原家の家は事故物件、所謂曰くつきだ。なんでも昔この家に強盗が押し入り、そのとき住んでいた男子大学生が銃で撃たれ死亡した。らしいというのを近所のオジサンから聞いた。なんでもオジサンはくだんの男子大学生と何度か話したことがあるらしい。この話を聞いたとき事故物件でも気にしない性質の原家の人間は「はいはい、あっそう」で流した。ただ義母の皐月がこの家に来た時に驚いていたのを忠昭は覚えていた。
忠昭が来る前に大学生が死んだわけで、勿論忠昭が顔をしっているはずがない。廊下で見たとき彼は「あれなんかAと顔似とらん?すけとる?!そして誰だ……!」頭の中をクエッションマークだらけにして混乱した。もともとキャパの少ない忠昭はい考え事やむつかしいこと、勉強が苦手でAに「にーちゃん、ばか―」なんて言われることもしばしば。現在予想外の出来事が起こっている今、目の前の現象にキャパの少ない脳内は大混乱を極めている。
混乱している忠昭をよそに男子大学生の幽霊は廊下の奥に位置する、誰も使っていない部屋の扉に吸い込まれるように消えた。
(ギャアアアっ!にーちゃん助けて!)
声なき悲鳴を上げて、いない兄に助けを求める。
とうとうキャパオーバーした脳は、忠昭を強制シャットダウンさせた。
ーーーーーーーーーーーーーー
翌朝自分の部屋で目覚めた忠昭はなんだ夢だったー、やっぱ夢だよな。なんて昨夜の出来事を夢だと思いながら朝食づくりをしている義母と、コーヒーを飲んでいる父、それに先に起きていた兄と義妹に夢の事を話した。
「忠昭、それはおそらく夢じゃない」
父曰く、昨夜返ってきた三人は廊下で気絶していた忠昭を発見して、父が自室へと運んだ。
「・・・それとね。昭博さんには話したんだけど―――」
義母曰く、昔この家に住んでいた男子大学生はAの実父らしい。だからこの家に招かれた時母は母は驚いていたのか。忠昭の疑問が数年越しに解けた。
(え、てことは)
――昨日見たものは夢ではなく、現実。
てゆうか、なんてアンビリーバボー。
忠昭は呆然とした表情でつぶやいた。
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作者名:新選組 | 作成日時:2017年1月1日 0時