俺がやった悪い事は、もうどうでもいいけどさ。最近、時間が過ぎていくと共に＿＿自分の命が削られていく気がするんだ【薫成り代わり三章】

六十九刻 ページ20

【慶応三年一月】

俺にとっては恥ずかしすぎる事件からはや数ヶ月。あの後の翌朝、朧はどんなふうに接してくるか心配ではあったが、階段を降りれば「おはようございますもうすぐご飯ができますので、お箸とお茶碗を並べててください」なんて言われて、拍子抜けしてしまう。だがまあ、それがありがたいと思った。


その後に進展があったのかと問われれば、進展はあった。昼は前と同じ態度で接して夜は膝枕をしてもらったりせっぷ・・・・ゴホン

皐月に罪悪感が芽生えつつ、ここにはいないのにこれは浮気ではない！断じて浮気ではないぞ！なんども自分にいいきかせる。前世は前世、今は今と割り切ってしまえばいいのだが、生まれ変わる間際に見たあの映像が俺に皐月のことを引きずらせているのだ

子どもの存在を知れたことは嬉しい、嬉しいのだが、皐月の嘆き悲しんでいる映像と子供の存在が俺にとって枷となってしまっている

こういっては悪いが。子どもの存在は知りたくなかった。勘違いしないでほしい、俺は子どもがいらないと言っているわけではなく、只存在を知りたくなかっただけだ。子どもの存在は嬉しいはずなのに、今の俺にとって足枷になろうとは・・・・

そんなもんもんとした思いを胸に抱いた、朧に想いを告げられた日から一月ほどたったある日の夜、とても不思議な夢をみた。その夢は不思議な事に娘の勤め先で幽霊としてでるというものだった

その夢の中で皐月が結婚して家庭をもったことを知った。これを訊いた瞬間ショックを受けたが、この夢をみた次の日の夜に夢の中で皐月と再会するこことなる

夢の中で俺は皐月に、お前は俺の事は忘れて幸せになってくれ、キツクだきしめて言った。嫌だ忘れたくないと首を縦に振らなかったが、泣きそうな顔をしてお願いと言えば、渋々頷いてくれた

最後に頭を撫でてて、そこで夢は終わった


もやもやがすっきりした俺は、純粋に朧との恋愛が楽しめるようになり、キスのその先、まあ大人の階段を昇れた




【時数の関係で次へ】
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新年用イラスト。

遅くなりましたが、あけましておめでとうございます
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