番外編・弐 ページ13
それからの俺の人生は、地獄だった。炎の中で困惑して動けない俺を、里に潜り込んでいた南雲の里の者に連れ去られた
南雲の里の長である南雲喜一郎は、俺が女でないと分ると、ろくに飯も与えてもらえず、馬車馬の如く働かされた
そんな環境下で育つ中、俺はいつも千鶴の事を考えた。寂しくてないていないかな?病気や怪我をしていないか?いつも考えていた
体が成長すると共に心に芽生えた、南雲の奴らに対する憎悪が日々育まれた
年月が流れたある日、俺は南雲喜一郎とその妻を殺した。畑仕事でついた腕力と、もともと備わっていた鬼の力を使って大通連で喜一郎を切り捨てた
次に逃げ惑う喜一郎の妻を切り捨てた
A『さて・・・どう千鶴を探そうか?』
抜き身のままで、血を浴びたまま表へ出る。南雲の家から返り血を浴びた俺をみた里の者達は皆一様に悲鳴をあげた。俺は
A『こいつ等使えば、いっか』
南雲里の者を見回し、ニヤリと笑った。南雲の里の者達を使って千鶴の事を探した俺は、千鶴が京にいる事を知った
それを知った俺は「ああ、ついに会える」と、歓喜した。もう用はない、と南雲の里の連中を放置して京へ向かった
京で俺が見た光景は、信じられないものだった。千鶴は、笑っていた。俺の事を、あの惨劇の夜を、すべて忘れていた
俺は一日たりとも、千鶴ことを、惨劇の夜を忘れた事などなかった。なのに、なのに、お前はなんで笑ってんだよ
俺達の幸せを壊した人間なんかと一緒にいるんだよ、一緒に笑ってるんだよ
黒い感情がとぐろを巻いて、それは悪魔となって俺に囁く。千鶴が憎いだろ?お前だけ辛い思いをしていたのに、あいつは笑ってたんだ
ーーお前と同じ目にあわせてやれよ
ドプン。漆黒の、ドロドロした感情の海に俺は沈んだ
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新選組(プロフ) - 奈々さん» コメントありがとうございます。ちまちました亀更新ですが、頑張らせていただきます^^ (2016年11月9日 21時) (レス) id: 99972413c8 (このIDを非表示/違反報告)
奈々 - ファイト! (2016年11月9日 20時) (レス) id: e665f2dd13 (このIDを非表示/違反報告)
新選組(プロフ) - アズトさん» 頑張らせていただきます! (2015年10月4日 15時) (レス) id: edf288500b (このIDを非表示/違反報告)
アズト(プロフ) - とても面白いです!!更新頑張って下さい!! (2015年10月4日 15時) (携帯から) (レス) id: d14f271b06 (このIDを非表示/違反報告)
新選組(プロフ) - 未桜さん» 頑張ります! (2015年8月23日 12時) (レス) id: 188fe80e21 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:新選組 | 作成日時:2015年6月9日 19時