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悟から事情を聞いた夏油さんはひとしきり爆笑した後、ちょいちょい思い出し笑いをしながら目尻に浮かべていた涙を指で拭って言った。



「ふ、なるほど。そうか。ある意味箱入り娘のお嬢さんだったんだな……っ」


夏油さんは腹を抱えてまた吹き出した。


『いつまで笑ってるんですか』



「……もしかして、五条が持ってるカゴの中に和菓子しかないのって」



『私が選びましたけど』



すると急に家入硝子さんは顔を背けた。肩が震えているので笑っているのを隠しきれていない。



「え、えん、遠足に…っ和菓子って……っ!」



後ろでは夏油さんがヒィヒィと過呼吸になって笑っている。


なんだか無性に恥ずかしくなってきて、ふと近くにいた悟の制服を掴む。




「笑い過ぎだ馬鹿」



彼は一瞬私を見たと思えば、夏油さんと家入さんの頭を叩いた。



それから、家入さんより若干強めに叩かれた夏油さんは頭を抑えて言う。




「いやぁすまないね。お詫びではないが、良かったら私も選ぶのを手伝うよ」


「当たり前だ。そしてこちらのお嬢様は変なの以外のをご所望だそうだ」


「よし、じゃあより変なの選ぼっと」



そう言った家入さんは何を聞いていたのか、知育菓子を何個か手に取って「どっちがいい?」と笑顔で私に聞いてくる。



戸惑いながらも目につく方を指差した。



『強いて言うなら右の方が気になります…?』


「え、これ?ラーメン屋さんの方はあんま美味しくないよ?」


「あー、麺がクソ不味かったな」


『……なんで悟が食べてるんですか』


「悟がどうしてもこういうの食べたいと言ったからこの前全種類買ってきたんだよ。私もラーメン屋さんのは好きではないかな」


『やることが高校生じゃない…』




予定では適当に買ってすぐ帰るつもりが、予想外の出来事により門限ギリギリまで駄菓子を選ぶ羽目になった。

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怠慢のにぼし(プロフ) - 緑の白猫さん» ご感想ありがとうございます!そう言っていただけて、構成に頭を悩ませた時間も無駄ではなかったのだと嬉しく思います。 (2021年2月23日 22時) (レス) id: 8a1e62ce6d (このIDを非表示/違反報告)
緑の白猫 - ストーリーの構成も上手いし、時間軸の移動の仕方も上手いしで…。堪らなく大好きな一作です! (2021年2月23日 21時) (レス) id: 41276e8159 (このIDを非表示/違反報告)
怠慢のにぼし(プロフ) - 琥珀さん» こちらこそ初めまして(*´ч ` *)こちらは五条悟オチになります。嬉しいお言葉ありがとうございます!本当に励みになります (2021年1月20日 10時) (レス) id: 8a1e62ce6d (このIDを非表示/違反報告)
琥珀 - 怠慢のにぼしさん初めまして、この小説は五条悟オチですか?続き頑張って下さい。応援してます。 (2021年1月20日 10時) (レス) id: 8685377221 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:怠慢のにぼし | 作成日時:2021年1月19日 20時

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