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ふつふつと込み上げる怒りを胸に話しかければ母親は怪訝そうに私を見た。



『どんな事情があるかは知りませんけど、母親なんですよね』


「は?だったら何よ」


『子どもが無事だったんなら優しく抱き締めてあげるのが普通なんじゃないんですか』


「うっさいわね。ガキの分際で偉そうに口出すんじゃないわよ」


『年齢は関係ないと思うんですが。それを言うなら貴女は大人の分際で臨機応変に子どもに接することが出来ないんですね』


家入さんは「おぉ」と関心するように見ながらも、
茅乃を背中に隠してくれていた。




「このクソガキ!!」



母親が手を上げる。


その様子を見て内心溜息をついた。



まあ来ると分かっていたが、茅乃があんなふうに扱われて内心腹立っていたのだから今となっては後悔していない。




それはさておき、これをどう対処するか考える。




避けたりすると茅乃たちにまで飛び火がかかりそうだし、かと言って受けるのも痛いから嫌だ。




どうしたもんかと考えて、やっぱり甘んじて受け入れる方を渋々選ぶことにした。(※その間0.7秒)




私の頬へと平手が迫る。


1発叩けば気が済むだろうと目を瞑った。



軽くて乾いた音がその場に響く。



しかし、不思議と痛みは無かった。



疑問を感じて薄らと目を開ければ、私の背後から伸びた手が彼女の腕を掴んでいるのが視界に入った。



その伸びた腕を辿って振り向くとそこには悟がこれ以上ないくらい、にっこにこした笑みを浮かべて立っている。




「おいオバサン。手上げんのはダメじゃん?」


「オバっ!?急に出てきて失礼ねアンタ!!」


「あ?止めてもらえたことに感謝しろよ」


「はぁ?頭イカレてんじゃないの?」


「イカれてんのはオバサンでしょ。あのままコイツ叩いてたら立派な犯罪者よ?」


「…っ!!」




悟が笑ってるのは口元だけで、目が「殺すぞ」とでも訴えてるのではないかと思う程笑っていなかった。

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怠慢のにぼし(プロフ) - 緑の白猫さん» ご感想ありがとうございます!そう言っていただけて、構成に頭を悩ませた時間も無駄ではなかったのだと嬉しく思います。 (2021年2月23日 22時) (レス) id: 8a1e62ce6d (このIDを非表示/違反報告)
緑の白猫 - ストーリーの構成も上手いし、時間軸の移動の仕方も上手いしで…。堪らなく大好きな一作です! (2021年2月23日 21時) (レス) id: 41276e8159 (このIDを非表示/違反報告)
怠慢のにぼし(プロフ) - 琥珀さん» こちらこそ初めまして(*´ч ` *)こちらは五条悟オチになります。嬉しいお言葉ありがとうございます!本当に励みになります (2021年1月20日 10時) (レス) id: 8a1e62ce6d (このIDを非表示/違反報告)
琥珀 - 怠慢のにぼしさん初めまして、この小説は五条悟オチですか?続き頑張って下さい。応援してます。 (2021年1月20日 10時) (レス) id: 8685377221 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:怠慢のにぼし | 作成日時:2021年1月19日 20時

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