75話「亀裂」 ページ28
「なんであんな所で迷ったんだろ……」
「ちょっと自信喪失だよねぇ……」
「あっしなんて道に関してはプロなんでやすよ?
お二人以上にショックでやす……」
とてつもなく落ち込んでいる。ここまで来ると先程まで気にせず食べていた私も手を止める。
何かしらフォローしてやろうと、口を開こうとする。だがそれはゲルドによって遮られた。
「もしやこれが原因ではないか?」
ゲルドが奥からなにやら布に包まれた花を持ってくる。これは……?
「周囲に幻覚作用をもたらす花だ。こいつのせいでオレ達の工程にも遅れが出た。」
「あ――――ッ幻妖花!!それ採取クエストの対象なんですよぅ」
エレンが立ち上がって声を上げる。
「樹木の伐採の前に採取したものが倉庫にまとめてある。欲しければ持って行って構わん。」
ゲルドが目を逸らして言う。
この言葉に3人は一気に明るい表情を取り戻す。
『教えてくれて助かった。ゲルド。あのままだったらこれからの旅路に支障が出るとこだった。』
「…気にするな。」
私の言葉にゲルドは穏やかに応えた。
「…なあA?支障が出るのは"幻妖花のせい"で道に迷うことだけ…だよな?」
カバルが私の発言に対し、慎重に聞いてくる。
……変なところで鋭い。
『…………もちろん』
愛想笑いで誤魔化した。
___もしゲルドが幻妖花を教えてくれなかったら
今後の……今後の彼らへの信頼に亀裂が入るところだった。というのは心の中だけに収めておいた。
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怠慢のにぼし(プロフ) - ぐへへ……わかりますぅ (2020年1月19日 11時) (レス) id: 2524957e30 (このIDを非表示/違反報告)
黒い翼の堕天使(プロフ) - いいいですよね…あの声 (2020年1月19日 8時) (レス) id: 87644745f4 (このIDを非表示/違反報告)
怠慢のにぼし(プロフ) - 同士様……そうなんですね……!私あの特徴的な声を聞いてるうちに……虜に…… (2020年1月19日 1時) (レス) id: 2524957e30 (このIDを非表示/違反報告)
黒い翼の堕天使(プロフ) - 同士よ…グラブルのソーンというキャラの声優なんですが…それで好きになりました (2020年1月19日 1時) (レス) id: 87644745f4 (このIDを非表示/違反報告)
怠慢のにぼし(プロフ) - あぁ……わかります……特に皆口裕子さん大好きです…… (2020年1月19日 1時) (レス) id: 2524957e30 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:怠慢のにぼし | 作成日時:2020年1月12日 21時