【新テニスの王子様】彼女は少々強者である

３１話　Yuzuriha side ページ33

｢この２人が今日の入れ替え戦？｣


この合宿に来てから数日、最初は不安もあったけれど、皆と大分打ち解けられたし、何より実力が飛躍的に向上した自信がある


｢ああ。彼らが入れ替え戦に今日勝てば……｣


｢あの番人以外はすべて中学生で埋まるね｣


けれど、強くなっているのは勿論私だけじゃない


｢ゲームウォンバイ白石、6-0｣


｢ゲームウォンバイ橘、6-0｣



うわぁ、6-0……

私の入れ替え戦はここに来たばかりの時だったとはいえ、6-2だったからなぁ


……なんか悔しい



｢杠葉、眉間に皺が寄っているぞ。どうかしたのか｣


｢別に、悔しいなんては思ってないよ｣


｢クスッ、手塚は悔しいのかなんて聞いてないよ｣



うぅ、しまった……

なぜか手塚くんと一緒にいると、自分も完璧じゃなきゃいけない気がして逆にボロが出るんだよね


｢不二くん、私女の子なんだから、そういうの聞かなかったことにしてあげてよ。その方がさらにモテそうだよ｣



不二くんって基本的に優しいし良い人なんだけど、意外とSっ気があるようで

時々私をからかって面白がっているものだから、ついつい嫌味で返してしまう


｢ええ、Aこんなに男子と対等以上の体力があるのに女子を名乗るなんて、尊敬するよ｣



｢不二、程々にしておけ｣


更にヒートアップしそうだったやり取りがバッサリと切れた


｢堅いなぁ、手塚は｣


｢手塚くん、今の格好良すぎるよ。私も今度やってみよう｣


こんなシチュエーション、なかなか無いと思うけれど



まぁ、こんな緩いやり取りができるくらいには皆と仲良くなれているのは、厳しい練習を一緒に乗り切ってきたからだろう

私はずっと個人でテニスをしてきたからよく分からないけれど、チームワークが生み出す強さというのもあるのだと思う


私もそこに少しずつ近づけているかな……




｢強すぎる……３番コート｣


｢４番コートを完封か。相変わらずだぜ｣



"総入れ替え戦"＿＿＿



鬼さん以外、５番コートの全員が中学生になった今こそ、その舞台が用意されるのも近い気がする

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