３０話 Yuzuriha side ページ32
｢俺とAは、同じテニスクラブの同じコーチのもとで、共に練習をしたいた時期があったんです｣
入江さんの鋭い指摘に、カズヤ君が視線を落として説明した
けれど、どうして彼が答えるんだろう
……当時彼は私なんて全く眼中に入っていなかっただろうから、気まずさを感じることなんてないはず
｢私が小学校４年生、カズヤ君が６年生の時だから……５年前ですね。中学生の選抜クラスだったんですけど私達も選ばれてました。けれどカズヤ君、その中でも断トツで｣
とりあえず、私も話に加わることにした
｢俺達２人がそのクラスで2トップだったので、シングルスの練習などでは大抵あたりました｣
｢えぇ、２人とも小学生の時から無双してたんだ。徳川はなんとなく予想がつくけどね｣
まぁ、確かに驚くよね
中学生のためのクラスで小学生の方が強いなんて
｢それでも、私１度もカズヤ君に勝てたことがなくて、でも試合はすごく楽しかったから、個人の練習に付き合ってほしいとしつこく頼んだんですけど……｣
当然、断られるよね、面倒な奴だと思われてたと思う
だって私が弱かったから
でもそれで諦めなかったのが私なんだよね
……彼に"弱い奴と練習する価値はない"とか言われてたけど
｢当時の俺は、自分が強くなることしか考えていなかったので、全く相手にしていませんでした。しかしAは逆に火がついたようで、かなり自分を追い込んで練習をしていました｣
そうそう、カズヤ君に認めてもらえる位強くなろう、って張り切ってたんだよね
｢もしかして、その時も倒れたの？｣
ご名答です
しかも、その時は意識がなくて救急搬送っていう
｢そうなんですよ。カズヤ君が海外行っちゃうって聞いてたから時間がないと焦ってたんです。まぁ、結局入院したのでカズヤ君には勝てなかったんですよ……｣
｢お前のオーバーワークの原因を作ったのは俺だ、すまない。倒れたと聞いてから、心配していた｣
え、心配……してくれてたんだ
私は単なる"相手にならない練習相手"だと思ってた
｢ふふっ、やっぱりお互いに誤解してたみたいだね｣
え、もしかして入江さん、こうなることが分かってて、あえて私たち２人がいるところで話を振ったの？
……うわぁ、本当に読めないなぁ
でも、入江さんのお陰で誤解ってわかった訳だし、
｢今度こそリベンジできるね！｣
もっと練習して早く追いつかないと
｢楽しみだな｣
｢無理はしないでね｣
３１話 Yuzuriha side→←２９話 Tokugawa side
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月夜 - 続きが気になります。更新しないのですか？更新して欲しいです。 (2021年9月29日 9時) (
レス) @page45 id: f649cf9af2 (このIDを非表示/違反報告)
うたプリ大好き?(プロフ) - 続き気になっています！この作品はもう更新されないのでしょうか？ (2019年7月8日 22時) (レス) id: 48370e286a (このIDを非表示/違反報告)
和夢(プロフ) - 名前無しさん» ありがとうございます！頑張ります!！ (2019年1月6日 0時) (レス) id: e159a74c47 (このIDを非表示/違反報告)
名前無し - 更新楽しみです！ (2019年1月3日 23時) (レス) id: f919ba13cc (このIDを非表示/違反報告)
和夢(プロフ) - 桜さん» ありがとうございます！初コメ嬉しすぎて思わずスクショしてしまいました。(笑) 今後も更新頑張りますのでどうぞよろしくお願いします！ (2018年12月18日 19時) (レス) id: e159a74c47 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：和夢 | 作成日時：2018年12月2日 18時
