１話 No side ページ3
｢……え？｣
大きな瞳をさらに見開いて、少女は驚きの声をあげた
こうなったのは、遡ること数分前＿＿＿
自然豊かな地に悠々とそびえる立派な建物＿＿＿
U-17選抜候補の合宿所の正門の前で、１人の少女が呆然と立ち尽くしていた
先程までは期待に胸を弾ませ、瞳を輝かせていた、どこか日本人離れしたこの少女こそ、この物語の主人公、杠葉Aである。
(いやいやいや、ちょっと待ってよ。ここに来て１人も女の子見てないんだけど。時間間違った？それとも場所？)
どうやら、彼女が呆然としていた理由はこの壮大な合宿所の規模に驚いていたわけではないようだ
はっとしたAは、あわてて背負っていたラケットバッグから、合宿に関する資料を引っ張り出そうとする
すると、
｢あれっ、ねーちゃんどーしたん？｣
豹柄のタンクトップを着て、ジャージを羽織った小さな少年が声を掛けてきた
ジャージには四天宝寺、と書かれていて、彼の後ろにも同じジャージを来た数人がいる
(え、これ何て言えばいいんだろう？合宿所どこですか、とか？でも目の前だしなぁ……)
返答に戸惑うAを気に止めず、少年は言葉を続けた
｢あぁーっ！もしかしてねーちゃんも合宿参加するん？ワイは遠山金太郎や！よろしゅう｣
彼女のラケットバッグを指差して、歓声を上げるこの少年はどうやら遠山というらしい
｢金ちゃん、彼女女の子やろ。ちゃうんやない？｣
と、彼の先輩らしき人物が彼をたしなめた。
(わぉ、手に包帯。……じゃなくて、この人達、ラケット持ってるってことは合宿に参加するのか。いやでも女の子でちがうってどういうこと？)
｢あの、皆さんはもしかしてU-17の合宿に参加される中学生の方ですか？私は杠葉Aです。私、この合宿に参加するんですけど、女子が１人もいなくて……｣
ここにきて、やっと口を開くことができたAは、状況を説明した
すると、先程の先輩らしき人物が怪訝な顔で答えた
｢自分、何ゆーとるん？ここの合宿、参加しとるんはみんな男子やで｣
｢……え？｣
＿＿＿ここで、冒頭に戻る
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月夜 - 続きが気になります。更新しないのですか？更新して欲しいです。 (2021年9月29日 9時) (
レス) @page45 id: f649cf9af2 (このIDを非表示/違反報告)
うたプリ大好き?(プロフ) - 続き気になっています！この作品はもう更新されないのでしょうか？ (2019年7月8日 22時) (レス) id: 48370e286a (このIDを非表示/違反報告)
和夢(プロフ) - 名前無しさん» ありがとうございます！頑張ります!！ (2019年1月6日 0時) (レス) id: e159a74c47 (このIDを非表示/違反報告)
名前無し - 更新楽しみです！ (2019年1月3日 23時) (レス) id: f919ba13cc (このIDを非表示/違反報告)
和夢(プロフ) - 桜さん» ありがとうございます！初コメ嬉しすぎて思わずスクショしてしまいました。(笑) 今後も更新頑張りますのでどうぞよろしくお願いします！ (2018年12月18日 19時) (レス) id: e159a74c47 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：和夢 | 作成日時：2018年12月2日 18時
