62.ひこうき雲 ページ14
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｢あ！あれじゃない？｣
北斗｢いや、あっちでしょ｣
彩羽｢今から出るって！｣
展望デッキから、大我の乗った飛行機がどれか北斗と言い合っていたら、大我から連絡が来た。
辺りを見渡すと、たった今動き始めた飛行機。ここからだと距離が遠いし顔は見えない。
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｢大我ならきっとなれる｣
フェンスにすがって、大我の乗った飛行機を見つめてぽつりと呟いた。
北斗｢俺もそう思う。絶対あの人は＿＿＿＿＿＿＿｣
北斗も私の隣に立って、そう呟いた。
私たちが彼を信じなくてどうするんだ。
彼の帰りをいつまでも待ち続ける私たちが。
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｢大我！頑張れ！！！！！！｣
たとえこの声が届いていなくたって。
思いだけは、きっと届いているはずだ。
私のヒーローであり、"おうじさま"なんだから。
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だんだんと小さくなっていく、大きな飛行機。
茜色の空に飲み込まれていったそれは、やがて真っ白い一本の線を引いた。
大我の思いと同じようなまっすぐな、ひこうき雲。
私はそれを見つめながら、声も出さずに涙を流した。
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大我と別れてすぐ、グループラインを開けば、メンバーが三人になっていた。
個人のトーク画面を開けば"メンバーがいません"と冷たい通告。
数日後、大我が住んでいたシンデレラ城のように大きな家には新しくテラカワさんと言う人が引っ越してきた。
教室から、机が一つ減った。ロッカーからは、大我の名前が消えた。
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大我は、この教室から、この街から、この国から、そして
私の世界から＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿。
完全に、いなくなった。
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あんじゅ(プロフ) - えみりーたさん» 嬉しいコメントありがとうございます♡本当にお待たせしました〜(TT)次回の更新もお楽しみに！！ヽ(*´∀｀)ノ (2022年8月10日 23時) (
レス) id: b8ed25930e (このIDを非表示/違反報告)
えみりーた(プロフ) - はじめまして。ずっと更新待ってました！切ない展開に、胸が締め付けられてます。この後どうなるのか、ますます楽しみになりました。期待してます！ (2022年8月10日 22時) (レス) @page8 id: d4d342cc13 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：あんじゅ | 作成日時：2022年8月10日 19時
