75.うるさい程の静寂の中で ページ27
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女子大というのは、こういうものか。
真っ白な外観に、洗練された校舎内。
ショッピングモールのトイレと間違えるくらいに設備の整ったトイレ。
細かいところにまで、可愛さとお洒落さを敷き詰めた夢のような空間だった。
先生と、ここだけ見つめて目指してきた大学。
やりたいことがなかった私の翼が広がるような、私の可能性を探せるような学校。
お母さんにメッセージを送って、すぐにスマホの電源を切ってカバンに収めた。
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小論文の原稿用紙と、課題文が目の前に置かれる。
目を閉じた。集中しろ、私。
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ーーー⋯⋯⋯『Aはつよいよ、えらいよ。がんばってるね』
ーーー⋯⋯⋯『Aは強いよ。偉いよ。頑張ってんの俺が知ってるから』
小さい黒髪と、大きい金髪の姿がぴたりと重なって、骨骨しいのになぜか柔らかい手が、すっと私の頭を撫でる。
あぁ、温かい。いつだってこうして、私の背中を押してくれていたんだ。
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｢始め！！！！｣
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パサパサとみんなが一斉に課題文をめくり始める。
ここにいる百数人、みんな今日は私の敵だ。
怖いくらい静かな空間に、たじろぐ暇なんてない。
それに、ここにいる百数人が敵だったとしても、私にはかけがえのない仲間や家族が私の成功を祈っている。
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｢⋯⋯すぅ｣
一度大きく深呼吸をしてしまえば、周りなんて見えなくて、私のゾーンになんて誰にも入り込めない。
私なら、私なら出来る。
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あんじゅ(プロフ) - えみりーたさん» 嬉しいコメントありがとうございます♡本当にお待たせしました〜(TT)次回の更新もお楽しみに！！ヽ(*´∀｀)ノ (2022年8月10日 23時) (
レス) id: b8ed25930e (このIDを非表示/違反報告)
えみりーた(プロフ) - はじめまして。ずっと更新待ってました！切ない展開に、胸が締め付けられてます。この後どうなるのか、ますます楽しみになりました。期待してます！ (2022年8月10日 22時) (レス) @page8 id: d4d342cc13 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：あんじゅ | 作成日時：2022年8月10日 19時
