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「ん〜?なんが?」


絶対、分かっててとぼけてるんだ。


悔しいけど、こっちが脱力する程に可愛いわ。


ちょっと呆れた、ため息ついてたら。


もう、自宅マンションの前。


「あ、このマンションなの。
ありがとね。
今度、今日のお礼に何か奢るから」


そう言って、シートベルトに手をかけたところで、
安田が、不意に私に覆いかぶさってきて・・・


あんまりにびっくりして、
身体が硬直しちゃってた。


安田の顔が目の前に。

澄んだ瞳で、じいっと私を見つめてる。


てっきりキスされるのか、って、
身構えちゃってたけど・・・


「俺、駆け引きとか出来ひんし。
思たこと、すぐ顔にも声にも出てまうし。
好きな人には、
毎日、めっちゃ好き好き言うてまうねん。
Aさん、そんな男は、嫌い?」


すごく不安そうに聞かれただけ。


信五と、初めてキスした時のこと、
思い出してた。

こんな風に送ってくれた車の中で、
強引にキスされたんだ。


嬉しかった。

めちゃくちゃときめいてた。


恋心の告白と、

離れがたくて、
甘ったるい時間が、

この後に続くって期待して。


だけど、信五は、


ほな、また連絡するわ、って。


そう言っただけ。


だから、私からも、


好き、なんて、言えなくなったんだ。


信五の前では、

甘えたい気持ちなんて封印して、
大人の女のフリしてきた。


本当の私はどんなだったかな。

もう、思い出せない。


「きら、いじゃないと思う・・・」


「ほんまですか?
良かったあ・・・」


安田が大げさに胸をなでおろしてる。


やっと、離れてくれたって安心してたのに。

バチッと目が合って・・・


「今、思てることも、言うてええですか?」


急に、大人びた表情になった。

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純奈(プロフ) - 素敵な作品をたくさんありがとうございます。これからも、ずっと楽しみにしています。主人公ちゃんのLine泣いちゃいました。改めて、思いやりや優しさって難しいのだと感じました。私も、一喜一憂しすぎて、気持ちがブレブレです。続きも楽しみに待ってます。 (2018年12月30日 23時) (レス) id: 16ae267d27 (このIDを非表示/違反報告)
亜季(プロフ) - あれ?信ちゃんをすんなり受け入れた私がいる(笑)今年一年楽しませていただきありがとうございました! (2018年12月30日 22時) (レス) id: 48f0771830 (このIDを非表示/違反報告)
ひ み さ(プロフ) - 素敵な作品の数々、ありがとうございます(*^^*) foolさんの作品はいつもドキドキハラハラで、更新されるのを心待にしています(*^▽^*) 来年もよろしくお願いします♪ (2018年12月30日 22時) (レス) id: 6eb2ce4a4e (このIDを非表示/違反報告)
ぁぃ岡ちゃん(プロフ) - 今年foolさんの作品に出会ったばかりですが、本当にfoolさんの作品の思い出がいっぱいの1年でした! 日本史を勉強すれば君がため。を思い出すし、ぼーっとしてる時に専属マネ。思い出すし、ふっとお呼びです。読みたいなって思うし!! 来年も楽しみにしてます♪♪ (2018年12月30日 22時) (レス) id: 711b9e3d20 (このIDを非表示/違反報告)
めちゃ(プロフ) - 始発に乗って片思いの人に会いに行って最終で何度帰った事か、昔々を思い出しながら読んでます。最初はヒナに腹が立ってたけど今はヤスから奪い返せと応援しています。今年もあと2日foolさんの更新楽しみにしています。 (2018年12月29日 17時) (レス) id: 0f242ca3bb (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:fool x他1人 | 作成日時:2018年11月26日 11時

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