Ψ後の晩餐5

第199χ ページ20

｢僕以外Aさんを守れないみたいな事を言っといてよく気づかなかったっスね｣

確かに言ったがそれは言葉そのままの意味だろ
僕は超能力者だ
例え世界が終わろうとしても僕だけは死なない自信がある

｢じゃあ逆に、俺が超能力者だとしたらAちゃんを俺に託します？"鳥束、Aさんはお前にしか守れない！"って言います？…………自分で言ってて悲しいっスね……｣

それは無いな

｢ほんとは超能力なんて関係なくAちゃんを守りたいんスよ斉木さんは。そんくらい大事なんじゃないんスか？Aちゃんが！｣
(なんか腹たってきたな……)

…………

｢自分に害が及びそうにならないと助けないみたいな事言ってますけど、Aちゃんといる時は全然そんな感じしないっスよ？俺が近づいただけで警戒するし｣

…………

｢それって俺がAちゃんの事好きだから近づいて欲しくないだけっスよね？｣

…………

｢Aちゃんが怖がる所に連れて行きたくないのも、Aちゃんを泣かせたく無いとかそこら辺でしょ？｣

……確かにな

｢人を好きになるのって、その子の言動が可愛くて、こ〜……心臓がウッ！ってなるもんなんスよ？｣

ウッ……

｢今のは図星って事っスね……｣


僕が人を好きになる？
有り得ないと思っていた


｢超能力者だからとか……そんなん関係ないんスよ、人を好きになるのって｣


！
……"有り得ない"なんて無いのかも知れないな


やれやれ……
鳥束に教わるとはな
不本意だ

｢恋愛の事ならお任せっスよ！俺、寺生まれっスから……！｣


それはほんとに関係ないな


｢でも2人が付き合ったとしても俺絶対Aちゃん諦めないっスからね……！｣

付き合いはしない

｢は？｣

……僕は恋愛に向いていない
Aさんの思考を深く考えてやれなかった
例え一緒になったとしても続かないのがオチだ

｢……それ普通じゃないスか？生まれながらの超能力者だからそう考えるのも仕方ないっスけど、普通の人って思考読めないじゃないっスか｣

……あ
確かに

｢そーやって愛を育んでいくんスよ……｣

なんかお前が言うと気持ち悪い

｢失礼な！！｣

……まぁ、僕にはまだやる事がある
Aさんは巻き込めない

｢まぁ俺のチャンスが増えるだけっスからなんも言わないっス｣


踵を返し、学校に戻る為鳥束の部屋を出た


(負けねぇっスよ斉木さん……！)


フッ、まずお前は無理だから安心しろ

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