Ψ後の晩餐4

第177χ ページ47

｢あ、うん……｣


やっぱり1人が良かったんだなぁきっと
悪いことしちゃった

……あーあ……1人になっちゃったなぁ……

……そうだ！1人でしか出来ないことがあるじゃないか！！

泳いじゃおーっと


中に潜り、下の方まで沈んで泳いだ

ふふ、1人でしかできないからちょっと楽しい


その途端、水面にゆらっと光が通った

……なんだろう……

少し怖くて水面から顔を出すと、周りの大きいライトが全て消えていた
プールの中で壁から出ていた温水も止まり、シンと静まり返る


｢えっ……なんで……？｣

怖さからすぅっと体が冷え、早く出ようとプールを出てドアを開け…………

開かない？！
鍵がかかってる……！！


そしてようやく気づいた

さっきの水面で光っていたのは警備員のライト……！私が潜ってたから気づかなかったんだ！
この周りの大きいライトが消えたのも、プールのボイラーが止まったのも、きっとここの営業時間が終わったから……

温泉が24時間やってるからてっきりここも24時間だと思い込んでた……！！
だから全く人がいなかったんだ……
どうしよう！！


……！！斉木くん……！！
って思ったけど……ゲルマニウムリングつけてるんだ……！！
どうしよう〜！！


｢誰かいませんかー！！｣


おーい！！と叫んでみるが返事は無く

さっき警備員が来たばかりだからきっとしばらくは来ない
温水の交換で水が抜かれれば凍死する

というかその前にボイラー止まったから水になる……！！

気づいてくれる人が誰もいない……！！
斉木くんが寝ちゃったらおしまいだ……！


とりあえずまだ温かいプールに浸かり、必死に策を練る

焦っていて策が思い浮かばないどころか、本当に周りには何も無い

ここは屋上
用がない限り人は来ないだろう
警備員さんが頼みの綱だけど回ってこないかもしれない……！！

暗いし寒いし怖い……
さっきまで幸せだったのにぃ……

ううぅ……
斉木くんお願い……
助けて…………

第178χ→←第176χ

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す