映画館 3 ページ47
僕と会話できない為、余計恐怖を逃がす宛が無いのだろう
……仕方ない
リングを外した
《怖いならこなければ良かっただろ》
(やっと話できる〜っ！怖い！！想像以上に怖い！！)
《知らん》
Aさんは僕の腕を自分の方へとグイグイ引っ張り続ける
《引っ張るな腕が抜ける》
(ごめん！でもぉおおお)
引っ張るのはやめたが、しがみついたままだ
僕の体はAさんの方へ傾く
もう観客の思考も頭に入ってくるし映画は諦めた
とりあえずAさんを何とかしないとな
怖がるAさんをなんとか一旦落ち着かせようと、目の前にあるポップコーンを1つ取り、Aさんの口に入れた
｢！！｣
こっちを見てニコッと笑い、もぐもぐと口を動かす
ごくりの飲み込み、またこっちを向いて口を開けた
《もうやらん。あとは自分で取れ》
"ちょーだい"と口パクで言われ、仕方なくもう1つ掴んで口に入れた
まるで餌を与えられている犬の様だ
こんなもので喜ぶなんて相変わらず単純な奴だな
……だが、何故か悪い気はしない
僕の腕を掴み、抱き枕の様に頭を寄りかけ、もぐもぐと食べながらスクリーンを見ている
甘えにも似たこの感じ
いや、もはや甘えだな
これを受け入れている自分に呆れ、ため息が出た
他の奴だとうざくて吹っ飛ばしているだろう
何故Aさんはいいのだろうと考える
やはり鳥束のあの言葉に行き着いた
僕が恋愛なんてありえない
と自分で自分に抵抗する
(斉木くんが傍にいるから怖くないよね)
！
急に話しかけられ、ハッとなりAさんを見た
ニコニコしてこっちを見ている
……子供か
だがまぁ間違ってはいないな
《そうだな。僕が傍にいる》
フッと笑うと、顔を赤くさせびっくりしている
結構危ない事を言ってしまったな……
(あの……っそれってどういう意味……？)
《……今隣にいるだろ。そういう意味だ》
一応はぐらかした
(なんだそういうことかぁ……でもほんと、斉木くんと来れて良かった。斉木くんの優しさで助かったよ)
《優しさ？》
(こうやってしがみついたり映画中に話しても怒らないし、あ、甘えさせてくれるし……)
《僕はまず映画館は好きではないし他の奴だったら絶対来ない》
(え……)
《優しさだけで…》
(……？)
優しさでと思われたのがどうにも腑に落ちない
優しさだけでここまですると思うか？
Aさんのその鈍感さにこっちがグイグイと行ってしまいそうになる
(斉木くん……？)
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まつり(プロフ) - なぎさん» ほんとですか！？よかったです！！ありがとうございます！ちょこちょこ更新しますので是非ちょこちょこ見てみてください！！笑 (2021年4月14日 21時) (
レス) id: 254ca2f352 (このIDを非表示/違反報告)
なぎ(プロフ) - 面白かったです！！！ (2021年4月14日 21時) (レス) id: 6fc53c6f0b (このIDを非表示/違反報告)
まつり(プロフ) - パトさん» ああああパト様……！こっちも見て頂いたなんて嬉しいです！ありがとうございます！全然更新してないですし、もう放置気味でした……笑 でもパト様にそう仰って頂けるのはとても嬉しいのでまた更新しますo(^▽^)o笑 いつもご覧頂いてありがとうございます……！ (2021年2月27日 12時) (レス) id: 254ca2f352 (このIDを非表示/違反報告)
パト(プロフ) - まつりさん、こんな作品も書いていらしたんですね。宣伝とかしてくださらないので、今の今まで全然知りませんでした。これはいい掘り出し物だ…… (2021年2月27日 11時) (レス) id: 8ed95612e3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：まつり | 作成日時：2021年1月29日 9時
