短編

めんどくさい1日 2 ページ31

《もういいだろ。本当に一日中やる気か？まだ僕達は1歩も教室から出てないんだぞ》

(あ、うん、ごめんね……！今行く！！)


Aさんと窪谷須はお菓子を貰い、僕達の所へ来た


｢よっしゃあ！次行こうぜ！！｣


時として言葉と思考は矛盾する
それは僕も例外では無い

……いや、僕の場合、気が変わった

それだけだ




───────




｢今日はAさんの行きたい所行こうぜ！せっかく来てるんだしな！｣

｢えーありがとう海藤くん！いいの？｣

｢好きな場所を選ぶがいい｣


全部自分が作った様に言うな


｢んー……じゃあ私あれ！｣


Aさんが指さしたのは脱出ゲームだ
みんなで脱出ゲームに向かい、自然といつものペアに別れた

とは言っても5人
Aさんと僕のペアと、他3人のペアだ


｢斉木くんといれば怖いもの無し！へへ｣

《秒で終わるぞ》

｢秒では終わらせないで……｣

｢……なぁ、いつもこのペアだし、たまには変えないか？｣


海藤の提案だった
その提案により、Aさんと窪谷須ペア
僕と燃堂海藤となり、先へ進む

脱出ゲームの為、ペアで別々の場所に別れて区切られたスペースの中へ入る

海藤はこういう謎解きが好きな為目をキラキラさせて1人ブツブツと言いながら推理する


燃堂と僕はただぼーっとそれを見ていた


｢おい斉木も燃堂も手伝ってくれよ！｣

｢あ、おー。わりー｣


僕が参加したら終わるぞ

2人が中々終わらない推理をしている間、後ろのスペースからは楽しそうな声が聞こえてくる


｢あっはは！窪谷須くんそれ絶対違うよ！｣

｢えっ？これじゃねぇの？｣

｢えーじゃあはめてみよ？｣

｢｢……あー違った！！｣｣

｢ほらー！やっぱりー！！あははっ｣

｢んだこの謎！！もう壁蹴って突破しようぜ！｣

｢それはやめて？！｣


僕とペアだとあぁはならない
きっとAさん1人で考え、最終的に"わからないから斉木くん教えて！"とか言い出す始末

僕といればそうなるはずだった


……はぁ

この勝手に見える透視も嫌なものだ

謎を解き奥に進むAさんと窪谷須の背中を、まだここから1歩も動かずに見送った


｢あれ？！おい貴様頼りにならんぞ！｣

｢お？これやったのチビじゃねぇかよ！！｣


……僕らもさっさと出よう

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