ツーリング 3 ページ27
｢……なぁ、今からさ、ツツツーリング……行かねぇか？｣
｢えっ？｣
｢あっちの方に景色のいい場所あんだよ。少し遠いけど……無理はさせねぇから｣
そんな……亜蓮くんから誘ってくれるなんて……！！
もしかして私テンション低くなったのに気づかれたかな……
｢行きたいっ！！行く！！行かせて下さい！！｣
｢まじかよ！よっしゃあ！じゃあ俺が荷物置いてきてやるからそこにいろ！｣
亜蓮くんに家の鍵を渡し、玄関先に荷物を置いてもらった
戻ってきた亜蓮くんにお礼を言うと、また笑顔で"おう！"と答えてくれた
亜蓮くんは何一つ嫌そうな顔しないで助けてくれるんだなぁ
やっぱり好きだ
｢あと俺も荷物置いてくるわ。案外こっから近ぇよ俺ん家｣
｢え？！そうなの？！｣
───────
亜蓮くんも荷物を置いて、2人で遠くの山の方を目指す
またピッタリくっついているけど、さっきよりは慣れたのか落ち着いて眠くなるほどだ
しばらく心地よく乗っていると、途中の休憩所に着いた
体を離すと、亜蓮くんは降りて上着を脱ぎ出す
｢暑いの？｣
山の方に来たから私は寒いくらいだけど
｢いや寒ぃんだよ｣
｢え？じゃあなんで脱ぐの？｣
｢こっからこれ着とけ。その上着じゃ寒ぃぜ？｣
背中にフワッとスカジャンをかけてくれた
亜蓮くんの体温がまだ残っていて暖かい
｢でも亜蓮くんが寒くなっちゃうよ……っ｣
｢俺は慣れてるから心配すんな｣
そう言ってまたバイクにまたがった
優しいなぁ……
｢ありがとう！｣
亜蓮くんは親指をグッと上げて発進する
カッコイイぜ亜蓮くん
昔の怖い面影はどこへやら
さっきとは違い全く見た事のない、移り変わる景色
田舎道で車はあまり通らず、周りに人もそんなにいない
信号もあまりない
どこか2人だけの世界に入った様な、そんな気持ちになる
今くらいちょっと甘えちゃえと、亜蓮くんの背中にギュッと抱きつく
しばらくすると、バイクのスピードが緩まった
もう目的地かな？
ある崖でバイクは止まり、亜蓮くんはヘルメットを取る
｢あのよ……降りてぇんだけど……｣
少し気まずそうな態度に、まだギュッと抱き着いていた事を思い出す
｢わっ！そうだよねごめんっ……！｣
パッと手を離すと、亜蓮くんは降りて私も降ろしてくれた
｢少し歩いて奥見てみろよ｣
左脇には松葉杖、右手は亜蓮くんの袖を掴み、前へ進む
顔を上げ、前を向いた
｢わぁっ……！！｣
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まつり(プロフ) - なぎさん» ほんとですか！？よかったです！！ありがとうございます！ちょこちょこ更新しますので是非ちょこちょこ見てみてください！！笑 (2021年4月14日 21時) (
レス) id: 254ca2f352 (このIDを非表示/違反報告)
なぎ(プロフ) - 面白かったです！！！ (2021年4月14日 21時) (レス) id: 6fc53c6f0b (このIDを非表示/違反報告)
まつり(プロフ) - パトさん» ああああパト様……！こっちも見て頂いたなんて嬉しいです！ありがとうございます！全然更新してないですし、もう放置気味でした……笑 でもパト様にそう仰って頂けるのはとても嬉しいのでまた更新しますo(^▽^)o笑 いつもご覧頂いてありがとうございます……！ (2021年2月27日 12時) (レス) id: 254ca2f352 (このIDを非表示/違反報告)
パト(プロフ) - まつりさん、こんな作品も書いていらしたんですね。宣伝とかしてくださらないので、今の今まで全然知りませんでした。これはいい掘り出し物だ…… (2021年2月27日 11時) (レス) id: 8ed95612e3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：まつり | 作成日時：2021年1月29日 9時
