短編

手繋ぎ 3 ページ22

｢おい反抗すんなよ｣

｢いたっ！｣


頬を平手でビンタされ、ちくちくと痛む

多分この人からすると軽いビンタだろうけど、男のビンタはかなり痛い


｢ぅおっ？！地震か？！｣

｢でかくね？｣


うわわ…っ
かなり揺れてるっ
斉木くん怒ってるのかも……っ！


《目、閉じてろ》

(あ、うん……！)


目を閉じ数秒後


《いいぞ》


パチリと目を開けると、不良達はうつ伏せになり3人積み重なっていた

みんな白目を向いている


｢斉木くん……！！｣


斉木くんの所へ走って抱き着いた


｢ありがとう斉木くん……！！怖かったぁ｣


泣きそうになる私に"泣くな"と一言
涙をグッと堪え、2人の財布を取り戻し帰路についた


｢……なんであそこにいたの？｣

《ラーメンに行く前に少し寄ると言われて寄ってた》

｢2人は？｣

《中で遊んでるんじゃないか？僕は1人で帰ろうとしてたら君のテレパシーが聞こえた》


助けて斉木くんって言った時かな……
私が無意識にテレパシー送ってたんだ……

まぁ厳密に言えばテレパシーは送れない
心の会話だけは通じる

無意識に斉木くんに話しかけていたということ

良かった、斉木くんが近くにいて

あっ……そうだ……


｢あ、あの……えと……あの質問……｣

《あれは穏便に済ませたかったからだ。まぁそれで返す可能性は無いとは思っていたが、標的は君から僕に切り替わる》

｢そ、そうなんだ、なんかごめんね｣


斉木くんは私の態度で聞きたいことがわかった様だ
"付き合ってるのか"と聞かれた時に、何故頷いたのか
それが聞きたかった

嘘でも嬉しいな

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