短編:好きだ。(斉木楠雄) ページ15
「…………」
《今日はやけに不機嫌だな》
「さっむいし怒られるし……いい事ない!」
「誕生日なのに」
《誕生日なのに》
《だろ?誕生日だからといっていい事が起こるわけじゃない》
「……わかってるよそんな事……!」
冬
寒い寒い冬
私の誕生日
でも、今日は最悪の誕生日だ
今朝、吹雪の音で目が覚めた
今日に限って珍しく吹雪。最悪
でも学校はある。最悪
そして遅刻。最悪
4時間目、怖い先生の時に限って宿題をやり忘れる。最悪
放課後、その先生に呼び出され、宿題もやらないし成績も悪いと怒られる。最悪
そして帰宅中の今、隣には超能力者で彼氏の斉木くん
隣に大切な彼氏がいるのは幸せな事だけど、私が不機嫌な為に雰囲気はあまり良くない
…………最悪
吹雪は止んだけど、とにかく寒い
異常気象だ
「もう夕方だし、さっさと帰って私の家で鍋しよ。今日親いないから私晩御飯担当だし」
《どこにも行かなくていいのか》
「いいよ。寒いし、行くところ無くない?」
《…………》
斉木くんは目立ちたくない為周りに付き合っていることを隠している
だからデートもあまり堂々とはしない
どうせどこにも行けないじゃん、と斉木くんにあたる
100%私の八つ当たり
それはわかってるし申し訳ないとも思ってる
でもイライラが募り斉木くんにどうしてもあたってしまう
めんどくさいとか思われてるんだろうな
……イライラする
《……こっちに来い》
「え?うん」
それは斉木くんの傍に……という訳ではなく、今日はどうやら違うルートから帰るらしい
早く帰って鍋したいのに
本でも買うのかな?
違うルートと言っても、いつも斉木くんが立ち寄る書店があるルート
今日も買って帰るのかな
あたってしまったお詫びとして私が買おう……
しばらく歩くと、書店が目の前に見えてきた
「今日はどういう本?私が買うよ!」
《いやいい》
「……そうですか」
斉木くんまで不機嫌になった?
最悪だ
もう取り返しのつかない雰囲気の悪さかもしれない
そのまま書店の前に着い…………スルー?!
「えっ?書店寄らないの?!いいの?!やめたの?!」
《そんなに驚くことじゃないだろ。今日の目的はここじゃない》
「えっ?」
じゃあどこでしょ
101人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
まつり(プロフ) - なぎさん» ほんとですか!?よかったです!!ありがとうございます!ちょこちょこ更新しますので是非ちょこちょこ見てみてください!!笑 (2021年4月14日 21時) (レス) id: 254ca2f352 (このIDを非表示/違反報告)
なぎ(プロフ) - 面白かったです!!! (2021年4月14日 21時) (レス) id: 6fc53c6f0b (このIDを非表示/違反報告)
まつり(プロフ) - パトさん» ああああパト様……!こっちも見て頂いたなんて嬉しいです!ありがとうございます!全然更新してないですし、もう放置気味でした……笑 でもパト様にそう仰って頂けるのはとても嬉しいのでまた更新しますo(^▽^)o笑 いつもご覧頂いてありがとうございます……! (2021年2月27日 12時) (レス) id: 254ca2f352 (このIDを非表示/違反報告)
パト(プロフ) - まつりさん、こんな作品も書いていらしたんですね。宣伝とかしてくださらないので、今の今まで全然知りませんでした。これはいい掘り出し物だ…… (2021年2月27日 11時) (レス) id: 8ed95612e3 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:まつり | 作成日時:2021年1月29日 9時