Ψ後の晩餐

第11χ ページ11

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斉木くんの家、広いなぁ……
前斉木くんの家に挨拶に来た時は玄関でお母さんと話が盛り上がっちゃったから、中に入るのは初めてだ……


｢座って座って〜！くぅちゃんがAちゃんとお友達だったなんてびっくり〜嬉しいわぁ｣

｢楠雄が女の子を家にあげるなんて〜やるじゃないか楠雄〜！お父さんも嬉しいぞぉ｣


"このこのぉ"と斉木くんを肘で小突く

斉木くんが手をデコピンの形にして向けた途端、お父さんはひぃっと顔を真っ青にしていた


｢あはは……そんなんじゃないですよ……｣


斉木くんは茶化されるのが嫌なタイプなんだ


｢Aちゃん、夜ご飯食べて行ってよ〜、ちょうど夜ご飯の時間だしー｣


キッチンにいたお母さんの声に振り返ると、そこにはハンバーグ……ハンバーグ？！
…………食べたい…………！！
食べたいけど初っ端からご飯を頂くなんて失礼じゃないか……？！
うーんどうしようと悩ませてる間に、お腹がきゅるるっと鳴ってしまった


｢あっ…………｣

｢あら可愛らしい〜！！ふふ、食べて食べて！｣

｢すっ、すみません…………｣


恥ずかしい恥ずかしい恥ずかしい！！！
よりによってみんなに聞こえる音で！！
斉木くんにも聞かれてたよなぁきっと……と恥ずかしさで俯きながら横目でチラッと見れば、フッと優しく口角をあげている

斉木くん……あんな優しく笑うんだ……

そう思った瞬間、一気に血が巡ったかの様にカアっと体中が熱くなり、どっくんどっくんと心臓がうるさい

こんなにドクドクなるのは初めてだ

私、こんなに…………

お腹が空いてこんなに恥ずかしい思いをしたのは初めてだ！！！
でもなんか恥ずかしさとは違うドキドキの様な……？
まぁいいか


｢Aちゃん……？大丈夫？｣


ハッと顔を上げると、お母さんが心配そうに私を見ている後ろで、斉木くんは何故か安堵した様な顔をして、席に着いた


｢あ、大丈夫です！｣


私も慌てて斉木くんの向かいに座って、いただきますと手を合わせる
美味しそうがっつかないようにしよう…………

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