第554χ ページ17
《仕方ない……白状するか……》
斉木くんは覚悟を決めた──というより、諦めたようだった
「さぁ全て話して下さい。大丈夫です。何があっても驚きませんから」
───────
「あ、明智くん……?大丈夫……?」
《めちゃくちゃ驚いてるじゃねーか》
明智くんはこの世のものとは思えない程凄い顔で驚いていた
もはやホラーだ……
膝がガクガク震えその場に尻もちをついた明智くん
びっくりするよね、うん、わかるよ
そこまでじゃなかったけど
最初の覚悟はどうしたんだい明智くん
「や、やっぱり超能力者だったんだ……ま、間違いないとは思っていても……いざ目の当たりにするとやっぱり驚くものですね……」
《いやそれでも驚きすぎだろ》
「私でもそこまで驚かなかったよ」
「えぇっ!?そうなんですか?!」
《まだスプーンを曲げただけだぞ》
そう、斉木くんはまだスプーンを曲げただけだ
「何があっても驚きません」と言ったあの言葉は一体……?
「これが超能力か……勿論種も仕掛けもない……これを手を使わずに曲げるなんて……」
《貸してみろ。もっと凄いのを見せてやる》
そういうと斉木くんはサイコキネシスで明智くんの持っていたスプーンを浮かせた
「すすすスプーンが浮いたぁああ?!」
《いやここで?何があっても驚きませんとかよく言えたなコイツ……》
斉木くんの手に戻ってきたスプーンを見た明智くんは更に驚きの表情を見せ、「手に戻ったあああー!!」と大声で叫ぶ
《うるせえなはえーよ》
「1回明智くんが落ち着くまで待ったら?」
《そうするか……》
はぁ、とため息をつき机にスプーンを置くと、明智くんは変わらずそれに驚き大声をあげた
「机に置いたぁああー!!」
《置いたけど?》
もうここまで来ると面白くて笑ってしまう
明智くんがこんなに取り乱している所は初めて見た
《少し落ち着け、何なんだお前は》
「すみませんつい興奮してしまって……私手品などは初見ですぐ見破ってしまうんですがこれは原理がわかりません。だからこそはっきりわかるんです、これが超能力だと……!」
《だからそう言ってるだろ》
呆れている斉木くんだけど、どこか優しい顔をしていた
「こんなの初めて見ました……!凄い……!」
「凄いよね、興奮するよね!わかるよ〜」
「誰にも言いませんからもっと色々見せて下さい!」
「いいよいいよ!!もっとたっっくさんあるんだから!!さぁ!!どうぞ斉木くん!」
《君が答えるな》
618人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「オリジナル」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
きゅうり - とっっても面白くて何度も読んじゃってます!更新待ってます! (5月1日 23時) (レス) id: 951b8c82a0 (このIDを非表示/違反報告)
さくら(プロフ) - 面白すぎて3日かけて一気見しました!!!続き待ってます、、! (1月6日 1時) (レス) id: 66961b81e7 (このIDを非表示/違反報告)
ゆくえ - めっちゃ面白くて一気見しました!!続きが待ち遠しいです(笑) (12月29日 18時) (レス) @page22 id: 1a15f30eb5 (このIDを非表示/違反報告)
無記名(プロフ) - この小説を読んでる時間がほんとに幸せで楽しくて終始ずっとニヤニヤして読んでました笑是非また私を幸せな気分にさせてください!更新お待ちしております! (10月14日 1時) (レス) id: 12db53baf5 (このIDを非表示/違反報告)
あまね(プロフ) - すき (8月2日 22時) (レス) @page22 id: 2b125e9969 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:まつり | 作成日時:2021年8月22日 14時