Ψ後の晩餐8

第355χ ページ33

襖をバンッと両手で開けると、みんなびっくりしてこっちを見た


｢何でみんなここにいるの？！｣

｢Aの働いてる様子を伺いにね〜！｣


にししと笑うゆめのちゃん
君はなんて事をしてくれたんだ


｢今からお昼食べるけど一緒に食べようよ｣

｢まだ休憩中だし、スタッフはバイト中お店の料理食べたらだめだから遠慮しておくよ｣

｢んじゃ昼飯どーすんだ？｣

｢お弁当持ってきてる！｣


みんな民宿のお昼ご飯を食べる中で、私1人お弁当を広げる

トマトを箸で掴んだ所でそういえば聞きたいことがあったんだと思い出し、ゆめのちゃんの方を向く


うわ男子に負けないくらいがっついてる

そんなことより……


｢今日泊まり……？もしかして……｣

｢あったりまえじゃん｣


目線は料理に向けたままほんとに当たり前のように返事された

最悪だ……
アイツがここに来なければいいけど……


｢Aさんもバイト終わったら一緒に泊まろうぜ！｣

｢……えっ？！｣


私も？！
バイト先に？！
いやいやいや……


《ここ6人で予約してあるぞ》

(え？それ私含まれてる……？)

《君以外誰がいるんだ》


ですよね…………


《いつもならノリ気で参加するだろ。何かあったのか？》

(なんも無いよ……！！)

《へぇ》


バレたかな……っ？
怪しいかな私……


アイツの存在は斉木くんだけにはバレたくない
私も泊まるとなればはち合わせするに決まってる……！

でもちょうど良く明日私は休みだ
いやちょうどいいのか？

まぁ予約してしまったなら仕方ない……

なんとか回避しながら過ごすしかない……！


｢明日帰るんだよね？｣

｢そうだよ！チェックアウト何時だっけ？｣

｢11時だよ｣

｢んじゃその時間に帰る｣


明日の11時まで回避せねば……！


｢どうだ？慣れたか？｣


右隣にいた窪谷須くんはお肉をパクリと食べたあと、こっちを見て私の返答をもぐもぐしながら待っている


｢まだ10日目だからな〜……でもだいぶ慣れてきたよ！楽しい！｣


窪谷須くんの顔を見れば、熱々のお肉だったのか眼鏡が曇っていた


｢あはは窪谷須くん眼鏡曇ってるよ〜！……えいっ、えいっ｣

｢あっ！｣


人差し指の腹をピッと両レンズの真ん中に当てた


｢窪谷須くん、こっち向いて｣

｢……っ｣


こっちを向いた窪谷須くんの顔をじっと見る
指の当てた所だけ曇りが取れて目が小さく見えて面白い


｢あはははっ面白い〜！｣

｢やめろってバカ指紋付くだろーが……！｣

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