Ψ後の晩餐8

第343χ ページ21

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｢おはよー斉木くん！｣

《朝早いな》


斉木家の玄関前に行くと、ちょうど斉木くんがいた


｢ごめんお母さんに呼ばれて来ちゃった！お邪魔してもいい？｣

《入れ》


斉木くんに門扉を開けてもらい、中に入った


｢斉木くん新聞取りに出てたんだね！……その黒いの何？｣

《ん？》


新聞と一緒に掴んでいて気づいていなかったであろう斉木くんは、手をくるっとひっくり返すと、招待状と書かれた黒い封筒だった


｢雰囲気海藤くんっぽいね｣


斉木くんは玄関内で立ち止まり、その封筒をじっと見つめる
私はその間"お邪魔します"と靴を脱ぎ中へ入らせてもらった


｢お母さーん、お父さーん｣


あれ？誰もいない……

おかしいな？と思っている間に斉木くんもリビングに来た
と思ったらキッチンにあるゴミ箱へ行き、黒い手紙を捨ててしまった


｢え？それ開けた？捨てていいの？｣

《透視で内容見たから別にいい》

｢誰からだった？｣

《知らないやつだ》

｢海藤くんぽかったんだけどな〜。ところでお母さんは？｣

《そういえば朝から出掛けて行ったぞ。2人で》

｢えぇ？！先に言ってよ！！何の用事だったんだろう……｣

《母さんの事だから特に用事も無く呼んだんだろ》

｢………………｣


……お母さんらしいな……


｢あ、そうだ。私ね、夏休み中バイトしようと思ってるんだ｣

《どこのだ？》

｢少し山の方にある民宿なんだけど、そこのスタッフとして｣

《仲居か？》

｢うん、そんなもんかな｣

《なんか理由があるのか？》


斉木くんは私の前にコーヒーを置き、向かいの椅子に腰をかけた


｢ありがとう。まぁ、ただ単にお金が欲しいからだよ｣

《へぇ。頑張れ》

｢うん！ありがとう！来る？｣

《行かない》

｢だよね……｣

《僕が1人で民宿行ったらおかしいだろ》

｢おかしくないよ〜1人で来てる人達に失礼だよそれ｣

《1人慰安旅行だな》

｢斉木くんは慰安必要そうだね……｣

《普段から災難ばっかりだからな》

｢みんなでおいでよー！ゆめのちゃんに声掛けておくから！｣

《余計な事するなそういうのが災難に繋がるんだろ》

｢あ、そうだDVD借りに行こうー？｣

《話聞いてるのか？……君がレジに行くなら行く》

｢勿論！久しぶりに2人で映画鑑賞だーい！｣


結構簡単にバイトの事伝えられたなぁ
良かった
まぁ斉木くんはそこまで干渉してくる人じゃないのはわかってたけど……
実はただお金が欲しいだけじゃないんだ

理由があるの

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